水平投射を利用したエネルギー保存の証明

 

対象等

高校生

目的

 水平投射で飛ぶ距離を測定して、飛び出すときの運動エネルギーを求め、転がす高さから位置エネルギーを求めます。二つの数値からエネルギー保存が成立することを確かめます

準備

 電話線カバーのプラスチックの半面を使います、スタンド、パチンコ玉等の鉄球、カーボン紙、白い大きめの紙、巻き尺や定規

実験場所

物理実験室

方法

 柔軟性のある電話線カバープラスチックをスタンドに固定し、全体を湾曲させ、机の端から鉄球が水平に飛び出るように調整します。鉄球の高さを巻き尺等で測定してから、ころがします。

 落下地点付近に白い紙とカーボン紙を置き、鉄球が落下した点を確認します。飛び出した位置の床からの高さにより、飛行時間を求めます。

 さらに水平方向に飛んだ距離と飛行時間から、鉄球が飛び出す初速度を求めます。

 以上から鉄球を転がす位置の位置エネルギーと飛び出すときの運動エネルギーを求め、ほぼ等しくなることを確認します。

 ある程度能力のある生徒の場合は、水平距離で1(m)離れた物体に衝突させるためには、高さをどのくらいにすればよいかを計算させたりしています。

 正直な所、結果はあまり芳しくありません。ボールの回転によるエネルギーの減衰や、斜面から平面と移り変わる部分でなめらかにころがらなかったり、摩擦の影響があったりするので、計算値より2割ぐらい実験値が小さくなってしまいました。ころがす金属球は小さいほど良い結果が出るようです。

注意点

 ・ 高すぎると誤差が多くなります
 ・ カーボン紙の付きが悪いことがあります
 ・ 鉄球が紛失することがあります
 ・ レールがたわんだり、左右にぶれたりすると誤差が出ます

結果

 説明文の通りです。2割ぐらい運動エネルギーが減少します

考察応用等

・ なぜ誤差が出るのか

 原因ですが、鉄球が転がる時の回転エネルギー、プラスチックレールのたわみ等で、飛び出すときの速さが減衰しているものと思われます

備考

 最近はこの実験は、速度測定部分にチョロQの速度測定器を利用して行っています。水平投射は計算の理屈を理解させるのが大変です



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