慣性の法則
対象等
小学生から高校生まで
目的
実験を通して慣性の法則を実感する
準備
新聞紙、教科書、ノート、紙コップ、硬貨、厚紙、ペットボトル、スタンド、糸、、おもり、ゴムまたはバネ、力学台車、テニスボール、割り箸、プラスチック定規、ビーカー、水
実験場所
物理実験室
方法
ぶら下げたおもりの糸を切る
200(g)以上のおもりに糸を2本つけてスタンドから1本を使って吊します。下の糸を一気に下に引くと、下の糸が切れ、ゆっくり引くと上の糸が切れます。
おもりは重ければ重いほど、引くのは早ければ早いほどいいわけで、毎回どう引けばいいかクイズ形式で生徒に予想させてから実験を行っています。
もっとも生徒の答えはほとんど全員が一気に引く、と答え、ゆっくり引くと答える生徒はほとんどいません。
ただし本当にそう思っているわけではないようで、実際にやってみせると納得した顔を見せます。
新聞紙にはさんだ割り箸を折る
新聞紙を机の上に広げておき、その下に割り箸を半分はさみ、残りの半分を机の端からとび出させます。これをちょっと乱暴ですが、プラスチックの定規で刀のように上からたたくと、割り箸が折れます。
スパッと折るためにはかなりの集中力というか気合いが必要です。折れた割り箸がどこに飛んでいくかわからないので、注意が必要です。この実験は新聞紙とその上にある空気の慣性、ということで説明しています。
コップの上に置いた名刺の上の硬貨
コップの上に名刺を置き、その上に硬貨を乗せます。指で名刺を水平にはじくと硬貨がコップの中に落下します。単純ですが、以外に生徒は驚きます。
たぶんこのような現象があることは知っていてもそれが慣性の法則で説明できる、ということにびっくりしているのだと思います。
新聞紙の上に本を重ね、新聞紙を一気に引く(演)
これもよくやります。新聞紙を引く速さが問題です。最近同僚が、より緊迫感が出るように、新聞紙の上に水の入ったビーカーをのせて実験を行い見事に成功。私もやってみました。ガラス器具が危機感を増してくれます。生徒は拍手してくれました。
ゴムや糸の振り子(演)
ゴムや糸におもりをつけて振り子にします。これをゴムの場合は上下に、振り子の場合は左右に素早く振り、おもりが動きにくいことを示します。昔の地震計にはこの原理が応用されていたことを付け加えています。
ダルマ落とし(演)
おもちゃ屋さんで購入したダルマ落としを実際にやってみせます。なかなか大きいものがなく、うまくいかないのですが、それがまたいいようです。休み時間にトライする生徒がいます。
注意点
・ 特にありませんが、一気に行う実験が多いので、その分事故も起きやすくなります
・ 素早い動作が苦手な生徒もいますので、その際は配慮が必要です
結果
ほとんどすべて遊び感覚で楽しめます。問題はその後の説明だと思います。
考察応用等
・ 静止しているものは静止を続ける、というのは感覚的にもよく分かりますが、動いているものは力が働かなくても(力が釣り合っていて摩擦がなければ)動き続ける、というのが分かりにくいようです
・ 静止とはどのような意味かを考えさせると、相対速度の考えまで発展させられます
・ 改めて等速直線運動について考えさせるのも面白いです
・ 私は生徒のレベルによって、地球の自転とかの話しもしています
・ 高速道路で事故を起こすと、人が車外に放りだされる、と言うのも実例の一つです