対象等
中学、高校
目的
・ 身の回りの物から各種の電池を作成し、その電圧を測定してみる。
・ 金属の組み合わせや、溶液による電圧の違いを調べる。
準備
@ 金属板またはそれに代わるもの、その他の器具
銅板、亜鉛板、鉛板、マグネシウムリボン、アルミニウムAl箔、各種硬貨、ステンレスタワシ、300(ml)ビーカー 1個、濾紙 3枚、シャーレ、クリップ付き導線、紙ヤスリ、テスターまたは電圧計、ティッシュペーパー、ソーラーモーター、豆電球、スポイト
A 電解液またはそれに代わるもの
NaCl水溶液、希硫酸(減極剤入り)、清涼飲料水、リンゴ、ミカン、レモン、キウイ等の果物、大根、ニンジン、ジャガイモ等の野菜
実験場所
化学実験室
方法
実験1 ボルタの電池
@ 導線をそれぞれの金属板に接続し、亜鉛側はテスターのマイナス端子(黒)、銅側をプラス端子に接続し、コードを両手で持ち、図のようにビーカーに入った希硫酸溶液中に入れ、そのときの電圧をすばやく読みとる。
A テスターの代わりに豆電球を接続し、点灯するかどうか確かめる。
B 豆電球の代わりにソーラーモーターを接続し、羽が回転するかどうかを確かめる。
実験2 いろいろな電池
@ 使用する金属の表面を紙やすりで磨く。(硬貨は磨かないように)
A 2−@の金属の中から、適当な二つを用意し、以下のような電池を作る。
1) ビーカーを用いる場合
2) シャーレと濾紙を用いる場合
シャーレ内に希硫酸をしみこませたろ紙を敷き、この上に効果をのせ電圧を測定します
3) 果物等を用いる場合
金属板を果肉に直接差し込むか、果肉をスライスして、金属板で挟む
B 作成した電池の電圧を、金属板の極性に注意しながら測定する。
C 電圧が0.5(V)前後のもの、またはもっとも高い電圧を示した組み合わせにソーラーモーターを接続し羽を回してみる。
D 実験終了後、亜鉛板、銅板はよく水洗いして返却する。希硫酸は流しに流さず教卓上に戻す。
実験場の注意点
・ 豆電球にも種類があります。起電力の大きい豆電球では点灯しません。
・ 起電力の小さい豆電球でも、減極剤が入っていないと点灯するのは一瞬なので、その瞬間を見逃さないように指導しています。
・ テスターのメモリを読めない生徒がいます
・ 困難校で行った実験です。炭を使ったより効率的な電池もありますが、私は身近にある物質で電池を作りたかったので、果物や野菜を利用してます
・ 果物や野菜の場合、ある程度金属板をぎゅーっと押し付ける必要があります
結果
・ ボルタの電池はなかなかうまくいきませんが、果物や野菜電池でソーラーモーターが回ると生徒は喜んで、いろいろ自分たちから試すようになります
考察、応用
・ どんなものが電池になるだろうか
・ 電池を作るにはどんな材料が必要か
・ 直列や並列にした場合どうなるか
生徒さんへ
・ ボルタの電池は、希硫酸に金属板を入れた瞬間を見逃さないように
・ 希硫酸は、取り扱いに注意が必要な溶液です。手や衣服につけないように
・ 野菜や果物の直列接続も面白いと思います