PHの測定(2)

対象等

高校

目的

・  いろいろな水溶液のpHを測定し,水素イオン濃度とpHの関係を調べる。また,塩と強酸・強塩基との反応を調べる。

準備

薬品:0.1(mol/l)塩酸、0.1(mol/l)酢酸、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、2mol/L塩酸、0.01(mol)水酸化ナトリウム水溶液、0.01(mol/l)アンモニア水、0.1(mol/l)酢酸ナトリウム水溶液、0.1(mol/l)塩化アンモニウム水溶液、塩化アンモニウム、水酸化カルシウム

器具:試験管(2本)、メスシリンダー(20mL)、ビーカー(50mL×2):測定用、ビーカー(100mL):洗浄用、薬さじ(ステンレス、黒)、pHメーター、洗びん

実験場所

化学実験室

方法

1 pHの測定

(1)トレイ内の0.1(mol)塩酸約20(ml)を50(ml)ビーカーに入れ、このpHを測定する。

(2)次に,図のようにこのビーカーからメスシリンダーに直接塩酸を2(ml)入れ、これに純水を加えて10倍の溶液を作る。

(3)これをもう一つの50(ml)ビーカーに入れpHを測定する。

(4)さらにこのビーカーから再び2(ml)をメスシリンダーに入れ,これにさらに純水を加えて100倍に希釈した水溶液をつくり,ビーカーに移し替えpHを測定する。

(5)メスシリンダーを水道水で良く洗い、水を充分切ってから、教卓上から0.01(mol/l)水酸化ナトリウム水溶液を約20(ml)持っていき,同様に原液から順次薄めてpHを測定する。

(6)トレイ内の0.1(mol/l)酢酸,教卓上の0.01(mol/l)アンモニア水のpHを測定する。

(7)教卓上から,煮沸して冷ました純水約20(ml)を50(ml)ビーカーにとり,黒い小さじ2杯分の塩化ナトリウム(トレイ内)を溶かしてpHを測定する。

(8)教卓上から,0.1(mol/l)酢酸ナトリウム水溶液,0.1(mol/l)塩化アンモニウム水溶液をもって行き,pHを測定する。

2 塩と強酸・強塩基との反応

(9)試験管にトレイ内の炭酸ナトリウムをステンレスの小さじで2杯とり,少量の純水(下から3cmぐらい)を加えて溶かす(全部溶け切らなくて良い)。次に、2(mol/l)塩酸を少量加えて変化を見る。(上からのぞき込まないように)

(10)教卓上から塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを軽く1杯ずつ薬さじで薬包紙に取り,両者を薬包紙上で薬さじを使って軽く混ぜた後,発生する気体のにおいを調べる。

実験場の注意点

注1:PHメーターのガラス電極付近は触らないように。またあらかじめ充分値の校正を行っておく必要があります。

注2:PHが1とか13という領域では、10倍に薄めても必ずしも1変化しない場合があります。

注3:最後の(10)はかなり激しい刺激臭がしますので、深呼吸しないように注意が必要です

・この実験は受験校の文型クラスで行ったものです。実験前に1時間、説明を行ってから実施しました。

・この実験の方法の原本は、専門の化学の先生に教えてもらったものです

結果

・ 10倍希釈でPHは0.6〜1.2ぐらいの範囲で変化しました。

・ 酢酸やアンモニア水については、電離度が小さいということがよく分かる結果となりました。

考察、応用

1.操作(1)〜(5)の結果から,酸や塩基の濃度を10倍にうすめたときのpHの変 化について,それぞれ簡潔に説明しなさい。

2.操作(1)〜(6)の結果について,同じ濃度の塩酸と酢酸,水酸化ナトリウム水溶液と アンモニア水でpHが異なるのはなぜか。簡潔に説明しなさい。

3.(9)(10)から塩の水溶液の性質を整理せよ

生徒さんへ

・ 事前学習を理解しないと何をしているか分からないと思います

・ 強酸、強塩基を扱っていますので、取り扱いに注意してください

・ PHメーターの電極の扱いに注意してください



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