アンモニアを利用した噴水実験

対象等

中学、高校

目的

・ アンモニアが水に溶けやすいことと、溶けた溶液は塩基の性質を持つことを確かめる

準備

試験管 試験管ばさみ、L字管付きゴム栓、フラスコ用ゴム栓、ゴムキャップ、水槽、丸底フラスコ、チャッカマン、ガラス棒、試薬サジ、フェノールフタレイン、NH4Cl、Ca(OH)2、薬包紙

実験場所

化学実験室

方法

@ 水槽に水を3分の1程入れ、これにフェノールフタレインを数(ml)加え、全体をよく混ぜる。

A フラスコ用ゴム栓についているゴムキャップに水を入れ、これをゴム栓のガラス管に付け、そのまま机上に静かに寝かせておく。

B 教卓上の試薬瓶からNH4ClとCa(OH)2の粉末をそれぞれ試薬サジで1杯ずつ薬包紙に入れ持ち帰り、両者をガラス棒でよく混合し、臭いをかいでみる。
 
C 混合したものを試験管に入れ(高さ4cm程度)、スタンドを利用して水平より少しだけ傾けた状態にしてから、混合した粉末全体を静かに温める。

注:内部から水が出てくるので、これが試験管の底に貯まらないように、必ず試験管全体を傾けゴム栓側を下向きにする。

D やがてガラス管の先端から薄い灰色の気体が出てくるので、ここに栓をとったフラスコをかぶせ、気体を集める。気体がフラスコの口からあふれるようになったら捕集完了。

注:捕集後の試験管は試験管立てには立てず、机上にゴム栓側を下にして、傾けたままで放置する。すぐに立てると試験の底が割れることがある。
  
E フラスコは逆さまにしたまま、フラスコ用のゴム栓をフラスコにしっかりはめ、ガラス管先端を水槽内の水中に入れ、ゴムキャップ内の水を勢いよくフラスコ内に入れる。

F すぐに反応が始まるのでその様子を観察する。
注:反応が起きない場合は再度ゴムキャップから水をフラスコ内に放出する。それでも駄目な場合は教員を呼ぶ

G 反応が終了したら、フラスコ内の溶液も水槽内の水もすべて流しに捨て、器具を片付ける。

実験場の注意点

・ 薬品を混ぜ合わせただけでも臭いは強烈なので深呼吸しないように注意する

・ 試験管の破損が一番事故として多いと思います。その次がガラス管の破損です

・ 試験管はかなり汚れがこびりつきます

・ ゴムキャップ内の水を勢いよく噴出させることができない生徒がいます

・ うまくいかない場合は、フラスコに装着したガラス管の先端を指で押さえ、全体を持ち上げフラスコ内の気体と水が混じるように少し揺すってから再び水槽内に戻すと噴水が始まることが多いです

・ フラスコ内のガラス管の先端はガラス細工で作っておく必要があります

結果

・ どうゆう条件で大きな結晶が育つのか、実験を実施する班によって、結果はかなり異なります。大きな結晶が出来る班もあるし、小さなザラメのような結晶がたくさん出来る班もあります

考察、応用

@ 3−@の反応の様子を書きなさい。最初に少し白く濁りますが、すぐに消えます

A フェノールフタレインを入れる理由を説明しなさい。

B 3−Bの臭いを詳しく説明しなさい。

C 3−Bの化学反応式を書きなさい。(混合したとき出来るものは塩化カルシウムの他に2つ出来ます)

D アンモニアは空気より重いか軽いかを示しなさい。空気の平均分子量は29です。

E 3−Fの反応の様子を詳しく書きなさい。

F 全問の様な現象が起きる理由を順を追って詳しく説明しなさい。

生徒さんへ

・ 薬品を欲張って持っていくと、強烈な臭気に悩まされれます

・ 匂いを嗅ぐときは深呼吸をしないように

・ 気体が集まるフラスコ内に充満する目安は、フラスコの口から薄い煙のような気体があふれ出す頃です

・ ゴムキャップからの水は、出来る限り勢いよく噴出させる必要があります

・ 噴出した噴水の色が変化する理由を考えてください



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