対象等
高校
目的
・ アカムシ(ユスリカの幼虫)の唾液腺染色体を観察し、その本数や形態を調べる
準備
顕微鏡、スライダガラス、カバーガラス、ピンセット、柄付き針、スポイト、ろ紙、ルーペ、酢酸カーミンまたは酢酸オルセイン
使用材料
アカムシ
実験場所
生物実験室
方法
@ アカムシをスライドガラスの上にのせる。頭部から5体節目あたりを柄付き針で押さえ、頭部をピンセットでつまんで引っ張り、頭部とつながっている消化管や唾液腺を引き出す。
A ルーペを用いて、消化管についている唾液腺を確認する。唾液腺は胸部第2体節あたりに1対あり、長さ1〜2mmくらいの半透明の袋状の小体である。
B 唾液腺だけをスライドガラス上に残し、他のものはすべて取り除く。
C 唾液腺に酢酸カーミン溶液または酢酸オルセイン溶液を1〜2滴加え、そのまま5〜10分間染色する。
D カバーガラスをかけた上にろ紙片をおき、親指の腹で静かに押しつぶし、唾液腺染色体が広がるようにする。
E 作成したプレパラートを低倍率(70〜100倍)で検鏡し、唾液腺細胞内の唾液腺染色体を見つけた後、高倍率(280〜600倍)にして染色体の数や形態を調べる。
F 染色体の数や横縞、パフなど、唾液腺染色体としての特徴がよくわかるものを丁寧にスケッチする。
実験場の注意点
・ アカムシは教材屋さんで買うと高いので、釣り具やさんで購入します
・ 生きているものですので、傷つけるのを嫌がる生徒もいます。その場合は無理強いはしていません
・ 頭を引き抜く作業が難しいです
・ 唾液腺を染色すると、染色後にそれがどこにあるのか分からなくなります
結果
・ 正直なところきれいな結果はなかなか得られません。唾液腺そのものは肉眼でもなんとか確認することが出来ます
考察、応用
教科書等を参考にしながら
@ 唾液腺に見られる横縞は何を示しているかを考えさせます。
A 唾液腺染色体の染色体数が体細胞の染色体数の半数である理由を考えさせます。
B 唾液腺染色体と普通の染色体との相違点を調べさせます。
生徒さんへ
・ 生きている虫なので、最初は引き抜くのに勇気がいります
・ 倫理上許されないと思ったら、正直に先生に申し出て、引き抜く作業だけは誰かに代わってもらたほうが良いと思います
・ 引き抜いたあと、1〜2mmの大きさの対になった白い袋があったら、その中に唾液腺染色体が含まれています
・ 染色液で染めると、最初にあった場所が分からなくなります。なるべくスライドガラスの中央に置くようにすると、後で探すときが楽です