細胞膜の性質

対象等

高校

目的

・ 細胞膜には半透膜の性質があることを調べる

準備

実験1 キューリ(縦に平たく2等分したもの2本)、500(ml)ビーカー 2個、塩化ナトリウム 約5(g)、30(cm)の糸2本、25(g)おもり 2個、画鋲1個、精密ばかり、ペーパータオル 

実験2 セロハン 2枚、シャーレ 2個、塩化ナトリウム 5(g)、純水、30(cm)糸 2本

使用材料

生物は使用しません

実験場所

生物実験室または化学実験室

方法

実験1

@ 配布されたキューリ2本のうち1本の先端に2本を区別するために画鋲を刺し、それぞれの重さを精密ばかりで出来るだけ正確に測る

A 30cmの長さの両端を結び、輪を作り、キューリの中央にかける。

B 画鋲の付いたキューリの表面に、配布された塩を、手で全体に万遍なくすりつける

C それぞれのキューリを別々のビーカーの上にのせ、中央におもりをつるす。

D そのまま10分ほど放置し、画鋲の付いたキューリ表面の変化を観察し、図で書く

E 二本のキューリの曲がり具合を比較して、図で書く

 F 10分後、画鋲の付いたキューリの表面の塩と水分をペーパータオルで丁寧にとり、もう1本のキューリと共に、再び精密ばかりで重さを測定する

実験2

 @ セロハンを軽く純水で濡らし柔らかくしてから、四隅を持って袋状にする

 A この中に純水を入れ、純水が漏れ出ていないことを確かめ、上部を糸で結ぶ

 B 二つの袋をそれぞれシャーレに入れ、片方の袋に塩化ナトリウムをふりかける

 C 5分ぐらいたったら両者の変化の違いを観察し、図で書きなさい

実験場の注意点

・ チューブの両端を水が出ないように結ぶのが大変です

・ 実験後のキューリを食べたがる生徒がいます

・ 塩をなすりつけるのは、ビニールの袋に塩とキューリを入れて行いました

結果

・ 500mlビーカーを使いましたが、もう一回り大きいビーカーを使った方がしなり具合が良く分かります。(ビーカーを使わずに、単に両端を支えるものがあればよいだけです)

・ キューリの水は数分で沁みだしてきます。10〜15分で数グラム重さが減りました。

・ 目で見て分かるので、生徒は直感的に理解できたようです

・ セロハンの方は、正方形のものではなくチューブを使いました。15cmぐらいの長さに切り、一方を結び、もう一方から水を注入。その後そこを結び、飴玉のような形にしました。

・ これも5分くらいで水分が沁みだし、塩が湿気を帯びてきます

考察、応用

・ 普通はユキノシタを使った実験をするのだと思いますが、顕微鏡なので勉強が苦手な子達にとっては、いまいち実感に乏しいと思い、ネットで似たような実験を検索し、参考にさせてもらいました

生徒さんへ

・ キューリの曲がり具合を楽しんでください

・ キューリが汗をかいたように水がしみだす様子を観察してください

・ セロハンを結ぶのにちょっと時間がかかります

・ セロハンの実験は、大きなナメクジに塩をかけた状態と同じだと思ってください


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