心霊現象の話(2)

現在の家で

 今度は2000年頃の話です。現在住んでいる家の話ですが、小さいながらも新築で、1階にリビング、2階が寝室、という構成になっています。

 この当時で築5年ぐらい。1階には夜誰も寝ていないので、ちょっと物騒な気はしています。

 さて、ある秋口の深夜、何やら胸騒ぎを感じて夜中の3時頃、突然目が覚めました。トイレに行きたくて目が覚めたわけではありませ。

 すると、
階下から何やら物音がするような気がします。寝室は我々夫婦と息子が寝ていますが2人ともぐっすり寝ています。目覚めから徐々に意識が鮮明になってくるにつれ、階下の物音らしき音も徐々にはっきりしてきました。

 最初にもしかしたら泥棒、という思いが頭をよぎりました。思っては見ましたが、どう対処すべきか名案が思いつきません。

 かすかに聞こえる物音ぐらいで家族を起こすのも気が引けますし、なんだか小心者のようで情けない気もします。

 しかも戸締まりは普段からかなりしっかりやっています。外から誰かが浸入してくるはずなんかないという気もします。

 とはいうものの泥棒だったら、何らかの形で戦う必要があります。しかし普段運動と言っても、物理の投げ上げ実験ぐらいしかやったことのない私は、
体力的に自信がありません

 半分寝ぼけた頭で、あれこれ対策を考えていると、何やら物音が足音のように聞こえてきました。しかもそれが恐ろしいことに一歩一歩階段を上がってくるように聞こえてきます。

 しかし泥棒にしては人の気配がありません。もしかしたらお化けか?と思った瞬間背筋がゾッとして、思考能力を奪い、私はベッドの中で息を殺して、その音の行方を追います。

 すると2階にあがった足音は、静かに寝室に近づいてくる雰囲気。これにはまいりました。起きてはいるのですが、半分パニック状態で頭の中は真っ白け。完璧に思考回路が停止しています。

 そして遂に足音は
寝室の扉の前で止まります。丸で中を伺っているようです。次に何が起こるのか。もし泥棒だとして戦うとしたら武器は何にすべきか。朦朧とした頭で必死に考えます。心臓の心拍数も増加。

 しかし何も起きません。扉の外からは、物音一つ聞こえてきません。誰かがいる気配もありません。およそ5分ぐらいたって、私は勇気を奮い起こして、静かに寝室の扉に近づき、そーっと扉を開けてみました。

 すると、と展開したい所ですが、当然誰もいないし、何も見つかりません。幻聴か、空耳か、夢か、寝ぼけかわかりません。

 しかし私は不安だったので、階下に降り、トイレ、浴室、勝手口、玄関等すべての場所の電気を一旦点灯し、誰もいないことと鍵がしっかりかかっていることを確認。その後不思議に思いつつ、不安に思いながらも再び眠りにつきました。

 翌日女房にこの話をしました。すると女房はなんととんでもないことを教えてくれました。
 
 すなわち昨日は
女房の実父(私の義父)の命日だった、と言います。つまり普通に考えればご先祖様が心配になって会いに来たと言うことです。

 さてウソか誠か。私には判断がつきませんが、辻褄が合っているだけに、背筋がぞっとしたことは確かです。

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