血球の分類

 前ページで血液中の物質をまとめました。これらの中で問題になるのは、血球に分類されている赤血球、白血球、血小板です。これらの血球を作る元になっている細胞は骨髄中に存在する「造血幹細胞」と呼ばれているものです。

 この「造血幹細胞」は骨髄中に残るものと、脾臓やリンパ節に移動するものがあります。骨髄中に残ったものは、成長の過程で三種類に分かれます。それが前述の赤血球、白血球、血小板です。

 一方、脾臓やリンパ節に移動した造血幹細胞は、そこで二種類に分かれます。一つがリンパ球でもう一つが単球と呼ばれているものです。

 さらに面倒な分類ですが、血液中にある白血球とリンパ球、単球を総称して白血球と呼んでいます。さらにさらに骨髄で作られた白血球は、血管内では三種類に分かれます。

 この名称は血液検査でよく見かけます。「好酸球」「好中球」「好塩基球」の三種類です。この三つを総称して「顆粒球」と呼びます。いずれも細胞中に顆粒(つぶつぶ)が見られることからこの名称が付いています。

 どうして好酸球という名前が付いているかというと、化学や生物を勉強したことがある人なら分かると思うのですが、溶液等の性質として酸性、中性、塩基性(アルカリ性)という三つの性質があって、このうち酸性の性質を持つ色素に良く染まるものを「好酸球」と呼んでいます。

 従って「好中球」は中性の色素、「好塩基球」は塩基性の色素に良く染まるということです。

 説明がややこしくなって分かりにくいと思います。以上を表でまとめてみます。

生産場所 元の細胞 血球の種類
骨髄 造血幹細胞 赤血球 血管内の
血球
血小板
好酸球 顆粒球 白血球
好中球
好塩基球
脾臓
リンパ節
骨髄から
造血肝細胞が移動
リンパ球
単球

 表を見れば分かるように、普通は「白血球」と一言でまとめてしまいますが、実際には5種類に分けることが出来ると言うことで、そのどれもが基本的には外からの異物の侵入に対して生体を防護する役目を持っているわけで、相手によって対応する白血球の種類が変わると言うことだと思います。

 市役所が住民からの相談を、「住民課」「福祉課」と言うように窓口を分けて応対するのと同じですね。


表紙に戻る 悪性リンパ腫の基礎知識 血球数と大きさ