血球数、大きさ、抗ガン剤治療

  血液検査を行うと、血液中に含まれている血球の数が分かります。悪性リンパ腫では、しょっちゅう血液検査が行われ、その数値に一喜一憂した記憶があります。

 当然これらの数値は個人差や、その日の体調によって上下しますが、おおまかな正常値の範囲は決まっていますので、以下にその数値をのせておきます。

名称 役割
赤血球数 440万〜540万個/mm3(男) 酸素の運搬
380万〜460万個/mm3(女)
血小板 12万〜38万個/mm3 出血時の血液の凝固
白血球 4000〜8000個/mm3 食作用、感染防御


 血液検査をしてみて、これらの数値から著しくはずれているような場合は、なんらかの病気が疑われます。(ただし資料によってこれらの数値は前後するようです。確定的な数値がいくつなのかははっきりしません)

 また、mm3という単位ですが、1mm四方の立方体という意味ですから、ものすごく小さな(1辺が1mm)体積です。この中に380万から540万個の赤血球が入っていると言うことですから、血球というものがものすごく小さいものだと言うことも分かります。

 ちなみに大きさを実際に調べてみると血小板は2〜3(μm)、赤血球は6〜9(μm)、白血球は6〜20(μm)となっていて、白血球が一番大きいことが分かります。

 (μm)という単位ですが、μは10のマイナス6乗を表しますので、1(μm)(マイクロメートルまたはミクロンと読みます)=0.000001(m)=0.001(mm)となります。従って一番大きい20(μm)の白血球の大きさは0.02(mm)ということです。

 こんなツブツブが常時血管内を流れていると考えると、なんか不思議な気がします。

 なお、抗ガン剤治療を行うときは、抗ガン剤によって白血球が激しく壊され、限りなくゼロに近づいていきます。そうなると食作用や感染防御が出来なくなりますので、患者さんはちょっとした細菌にひじょうに敏感になります。

 風邪をひいたら発熱、肺炎。ちょっと鮮度の落ちた食べ物や雑菌の付着した食べ物を食べると腹痛や下痢。自分自身が常日頃から体内や体表に持っている雑菌にも影響を受けますから大変です。

 従って、抗ガン剤の治療を行い著しく白血球数が減少したときは細心の注意が必要で、私自身咳ばらい一つ出来ないなと思いつつ病室に入った記憶があります。

 病院側でもそういった事情に配慮して、いわゆる「無菌室」で治療を行っていました。


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