悪性リンパ腫の初期症状

 悪性リンパ腫とはリンパ球の異常増殖というのが基本的な定義のようですが、リンパ球そのものが何種類かあり、それが全身を動き回るので、必然的に病気の分類が複雑になることは、これまで書いてきたとおりです。

 従って症状としての現れ方も様々な形をとります。症状の中で比較的理解しやすいのは、リンパ節が腫れる、と言うものですが、これも風邪やインフルエンザで腫れたりもしますので、これが悪性リンパ腫の症状だと決めつけるわけにはいきません。

 私は連れが悪性リンパ腫の告知をされ闘病生活に入ったとき、最初の頃私自身が精神的に追いつめられたこともあったのか、一時期自分自身の首筋のリンパ節に違和感を覚え、夫婦共に悪性リンパ腫になったらどうしよう、と本気で悩んだこともありますが、結局精神過敏になっていたようです。

 要するに何が原因で腫れるのか、なんてことは素人には残念ながらほとんど分からないと言うことですが、これは病院も当然分からないわけで、血液検査や尿検査、CT、生検といったもので病名が確定していきます。しかしそれについては、また別のページでまとめたいと思います。

 というわけで、典型的な一つの症状としてリンパ節が腫れることがあるということで、これが直接的な唯一の症状ではないかと思われます。

 ちなみにリンパ節は首、脇の下、足の付け根に多く見られるようですが、一般的には首のリンパ節が腫れることが多いようです。

 一方間接的には、リンパ球すなわち白血球の活躍が阻害されるわけですから、それに伴う感染症状や発熱があり得ます。

 代表的な症状は、異常な増殖を行うために栄養分が費やされる「体重の減少」、感染等による「発熱」、「異常な寝汗」というものが挙げられています。

 他には全身の倦怠感もあるようですが、これは私の連れの症状と同じです。連れの場合は悪性リンパ腫によって腎臓の働きに支障が出て、血液中のカルシウム値が上昇。その結果全身倦怠感で動けなくなってしまいました。

 最初は本人も単なる疲労またはちょっとした過労だと思っていたので、発見が遅れたということはあるかもしれません。しかし「なんとなくだるい」という症状だけで、悪性リンパ腫を予想できるような医師はいないと思います。

 またその他の症状としては、リンパ節等が腫れるために、その膨張によって他の組織に物理的な圧迫が起きていろいろな症状が出るということも考えられます。

 さらに悪性リンパ腫そのものが臓器に進出すれば、その臓器が障害を受けるわけで、今度はその臓器特有の症状が出ます。連れの場合は、当初「急性腎炎」という診断で緊急入院したわけで、「悪性リンパ腫」については、その名前すら知りませんでした。

 しかしこうやって症状をまとめてくると、それこそ「何でもあり」という感覚になります。どんな症状でも、悪性リンパ腫が間接的に作用したと考えればつじつまが合ってしまいます。

 その意味では、前記の症状の中で、たとえその症状が軽くても、それが長期間続くようなら何らかの検査を受けた方がよい、という結論になるようです。ここで言う長期間とは二週間ぐらいがめやすになります。


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