気管支内視鏡検査

 この検査は私の連れが1回だけ行った検査で、もしかすると悪性リンパ腫の検査としては一般的ではないかもしれません。

 連れの場合、入院の最初から亡くなる直前まで、結局どこが根本的な病巣だったのかが分からず、再発をしたときに、それをなんとか特定したいという病院側の意向で実施しました。

 しかし闘病記を読んでもらうと分かりますが、私は連れにとってこの検査は、辛かっただけで、結局何の成果も得られなかったでのはと思っています。

 というのも、事前に説明された検査の方法に寄れば、細い管を気管支の中に挿入して肺の内部を撮影、及びさらに組織の一部を小さなピンセットのようなものでつまみ取り、それを直接顕微鏡等で確認するというものです。

 胃が悪いときに胃カメラを飲むと良く言いますが(私も経験があります)、基本的にはそれと同じだと思います。ただ挿入するのが気管ですから、想像しただけで息苦しくなります。実際検査直後に私は病室を見舞いましたが、ほとんど声を出すことも出来ず、表情も苦しそうでした。

 さらに言うと、そうまでした分かったことは、異常なリンパ球は発見されませんでした、というもので、主治医側は発見できることを期待していたようで、患者ではなく実験対象として扱われたようで不愉快でした。

 結果について説明してくれた医師も、開口一番「残念ながら異常な細胞は発見されませんでした」というもので、残念ながらと言う言葉に若干怒りを覚えました。本来なら喜ぶべき事なのに、見つけられなかったことを悔やんでいるだけで、患者やその家族の気持ちを理解していないなと思えました。

 ただこの検査を行ったとき、腫瘍マーカー等の値がかなり急上昇していたようで、医師側は異常な細胞を発見できることを確信していたのだと思います。

 で、その言い訳?ですが、結局内視鏡で見たり、つまみ取ったり出来る範囲は肺の一部に限られるので、必ずしも異常な細胞が発見されるわけではないという説明でした。

 であるならそのことも含めて最初に説明すべき事ではないかと思いましたが、患者側の立場として医師を問いつめることも出来ず、「あ〜そうですか」と納得するだけでした。(もしかしたら説明もあったのかもしれませんが、当時はともかく次から次へと新しい薬剤や治療法の説明が続いていたので、私自身それらの知識を消化する暇がなかったと言えます)

 善意に解釈すれば、なんとか病気の原因を究明したいと言う熱意の表れであるともいえますが 、悪意に解釈すれば単なる研究対象であったと言うニュアンスも感じるので、この検査に対しては苦しさを伴うだけにあまりよい印象を持っていません。


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