尿潜血、ウロビリノーゲン、比重

 尿検査で潜血反応という項目があります。この検査の内容は、尿の中に血液が混じっているかどうかを調べることを意味しますが、この血液とは赤血球のことです。

 平たく言えば血尿となりますが、少量の場合、目で赤っぽく見えなくてもこの反応が出ることもあります。この場合その血液がどこで尿に混じったのかということが問題になります。

 対象となる場所は、「腎臓」「輸尿管」「膀胱」となります。この中のどこかで血液が尿の中に漏れ出た場合反応が出ることになります。

 つまり

・ 「尿潜血が陽性」=「腎臓、輸尿管、膀胱中に血液が漏れ出た」=「腎炎、尿管結石、膀胱炎」という可能性があるという事です。

 続いて「ウロビリノーゲンン」ですが、これは不要になった赤血球が体内(肝臓、脾臓、骨髄)で壊されたとき、そこに含まれていたヘモグロビンがいろいろと化学変化して出来る最終的な物質のことです。

 このウロビリノーゲンは通常腸で再吸収された後、便に混じって排泄されますが、一部は肝臓に戻り、さらにその一部が尿に混じります。従って健康な人の場合、わずかにこのウロビリノーゲンが検出されると言うことです。

 これが異常となる場合は、多すぎるまたは検出されない、と言うことが予想できるわけですが、多すぎる場合は肝臓等の機能が弱っているため、再吸収されたウロビリノーゲンがそのまま尿中に出てしまいます。

 また赤血球そのものに異常があり、赤血球が大量に破壊された場合はウロビリノーゲンの量も増えますので、尿中の量も増えます。

 一方少ない場合は、胆汁が分泌されないために起きる場合(胆石等)、腎臓の機能障害等が考えられます。

 まとめると

・ 「ウロビリノーゲンの数値が大きい」=「肝臓の機能障害、赤血球の異常」=「肝炎、肝硬変、溶血性貧血」

 または

・ 「ウロビリノーゲンの数値が小さい」=「胆のうの異常、腎臓の機能障害」=「胆石、腎機能障害」

という可能性があるという事です。

 次に比重です。比重とは同じ量の水に比べてどのくらい思いかを表した数値です。水の場合通常は1(g/cm3)ですが、尿の場合はこれに様々な物質が混ざりますので、水より若干重くなります。

 ただし水を多めに飲めば尿量が増えるので比重は小さくなり、汗をかいたりして体内の水分が減れば尿量は減るので比重は大きくなります。つまりこの数値には、ある一定程度の幅があると言うことです。

 まとめると

・ 「比重が大きい」=「尿中の成分が多い」=「糖尿病、脱水(嘔吐、下痢、発熱、発汗)」

 または

・ 「比重が小さい」=「尿中の成分が少ない」=「腎炎、腎不全」

という可能性があるという事です。


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