放射線治療に伴う治療後の有害反応

 放射線を悪性リンパ腫細胞だけに照射出来れば有害反応はそれほど起きないはずですが、現実にはリンパ節に照射すると言っても、体の外から放射線を当てるわけですから、当然リンパ節を取り囲んでいる組織や、リンパ節そのものの内部にある正常組織、またリンパ節にいたる皮膚等の上皮組織も放射線の影響を受けることになります。

 その結果どのような現象が起きるか。もちろん照射した場所によってもその反応は異なるはずです。また放射線の影響は照射直後に起きるものとしばらくしてから起きるものの両方があることも分かっています。

 いずれの場合も、正常な細胞のDNAが放射線照射によって破壊されたことが主な原因になるわけですが、患者さんにとって不愉快な体験であることは間違いありません。

 これらの主な症状は「国立がん研究センター」の「悪性リンパ腫の放射線治療の実際」というページに詳しく出ていますので、ここでは割愛します。

 ただ幸いなことにこれらの症状は、正常細胞の修復力が大きいため、治療後1〜2週間で軽快するそうですから、その期間をなんとか我慢すればいいわけです。

 ただし放射線治療を繰り返さなければならないときは、こういった症状を慢性的に経験することになります。これは抗ガン剤の治療でも言えることですが、自分の連れの場合の副作用を見ていても、かなり厳しい副作用が出るなという印象を持っています。

 しかしながら、もしその治療に効果があれば、不愉快な期間を経験するものの、その後は治癒するわけですから、こんな嬉しいことはないはずです。

 結局放射戦治療の場合は有害反応、抗ガン剤治療の場合は副作用(副反応とも言います)がついて回るわけで、損得勘定で考えざるを得ないと言うことになります。

 つまりその治療を行うことによって得られる利益と、その治療によって生じる不快感や危険性というものを秤にかけて、どちらが有効かと言うことを判断しなくてはいけないと言うことです。

 本来この判断は患者側もすべきだと思うのですが、悪性リンパ腫の場合は、私の連れの場合もそうですが、患者側に病気に対する知識が乏しいため、結局医師の判断に任さざるを得ない状況になってしまい、治療開始後に予想外の有害な反応や副作用に苦しめられる、という状況が生まれる場合もあります。

 特に放射線の場合は、治療中は痛くも痒くもないので、治療受けること自体はそれほど抵抗がないかもしれません。しかし上記のリンク先ページにあるような有害反応が起こりえると言うことを患者側があらかじめ知っておくことは大事なことだと思います。

 もちろん病院側もそういったリスクを承知の上で、治療前に出来るだけ治療後に起きることを予想して説明をしてくれると思いますが、医師の説明と自分で調べて納得した説明では重みが違いますので、あえてしつこくここに書いています。


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