化学療法の効果の判定

 結局リツキサンといえども万能ではなく、最後は自分自身の免疫力に頼らざるを得ないというのが、化学療法の結論かなと言う気がしてきました。

 そんな中で、では化学療法が効を奏した、または効果があったというのは、どうゆうことなのかをきちんと考えておかないといけないなと思いました。

 基本的には悪性リンパ腫が治った(治療が効果を表して、治療終了後5年以上再発がない)というのが目標になるのかなと思いますが、そもそも化学療法の効果が現れなかったり、私の連れのように、残念ながら再発したり、副作用が元で寿命が短くなったりする患者さんがいることも間違いありません。

 そこで悪性リンパ腫の治療で、化学療法が効果があったという言葉の意味を明確に定義しないといけない事が分かってきました。ところが、どうも私の頭の中でも、「治る」または「効果があった」というのがどうゆう状態なのか混乱しています。

 混乱する原因ついて、化学療法が効果があったという言い方の中に、以下の三つの項目が含まれていることを、ようやく少しずつ頭の中で整理できてきたので、ここであらためてまとめてみました。

@ リンパ腫細胞が消失した、または減少した

A 副作用の影響が少なかった、または副作用によって体力が衰えることはほとんどなかった

B 骨髄抑制が現れたが、それによって感染症等にはならず、治療後順調に白血球は回復した

C 以上@〜Bの相乗作用で、治療前よりも結果的に寿命が伸びた

 これで基本的に間違いないと思うのですが、自分で書いていて最初に疑問に思うのはCです。そもそも治療前より寿命が延びた、ということをどのように判定するのか。

 当たり前ですが、一人の人間に対して、同時に治療を行った場合と治療を行わなかった場合の寿命を比較することは不可能です。

 つまり治療を行わなかった場合は、病気が進行して、ある一定の期間以内で命に関わることが起きるということを予想した上で、治療が行われた結果、それがさらに長くなった、と言うことを証明しなくてはいけないわけですが、そんな予想が単純に出来るのかどうか疑問です。

 医者の口からは「何もしなければあと数か月、治療をすれば1年ぐらい伸びるかもしれませんし、場合によっては完治するかもしれません」というような、テレビドラマで聞くような台詞が出てくるのだと思いますが、そもそも何もしない場合でも、今後も生き続ける可能性はわずかながらあるようにも思えます。

 もちろん悪性リンパ腫という病気が判明した以上、そのリンパ腫細胞を何らかの形で駆逐した方がその人の寿命を延ばす確率は大きいわけですが、その寿命を延ばす過程で、化学療法そのものの副作用や骨髄抑制によって命を落とす人もいるはずです。(我が家の連れがそうです)

 つまり上記の四つの条件が複雑に絡み合っているので、化学療法に効果があったかどうかを判定するのはひじょうに難しい、ということを先ず指摘したいと思い、このページをまとめました。
 


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