ガン細胞が成長する条件


 前ページのまとめの表をつらつら眺めていて、ガン細胞が成長するためには、三つの条件がすべて必要なのではと思うようになりました。逆に言うと、その内のどれか一つが欠けても、ガン細胞は成長できないという結論になります。

 まとめると、繰り返しになりますが

@ DNAの損傷

 何回も書いているように、増殖時のDNAのミスコピーや化学物質、放射線、その他遺伝や炎症、細菌、さらには活性酸素といった様々な要因で異常な細胞が生まれる。

A 低酸素状態

 異常な細胞を取り囲んでいる組織が低酸素状態で、ミトコンドリア内のクエン酸回路や電子伝達系が働きにくい。

B 免疫系の弱体化またはリンパ球の供給が不十分

 Bは分かりにくい書き方ですが、言いたいことは以下の2点です。

1) 高齢化により、骨髄機能が衰えて、リンパ球の生産量が減り、免疫系が弱体化した。

2) 低酸素状態を作り出した物理的な環境(血管が発達していないとか組織液が充分に供給されていない)によりリンパ球がガン細胞まで到達できない

という@〜Bの三つの条件がすべて整わないとガン細胞は増殖できないのではないかということです。この中のどれか一つでもクリヤ出来なければ、増殖は出来ず、細胞死(アポトーシス)または免疫機能によって駆逐されるということです。

 以上のことを前提条件と考え、我々個人が出来る対策は何かと言うことを調べればいいのかなと思いましたが、その前に、この前提が正しいということをある程度証明できる事実はないかということを考えていて、2日ほど更新を休みました。

 結論ですが、以下の通りです。

@について

 これは生活をしていく上で出来る限り化学物質を体内に入れず、放射線を避け、極端な運動はなるべくせずに活性酸素の発生を抑える事によって、ある程度の予防は出来るものの、それでも日常的に化学物質にさらされていることは間違いなく、放射線も自然放射線があり、病気や炎症と無縁の生活をすることはおよそ不可能ですから、まあ努力目標にするしかないかなと思えます。

 つまりDNAの損傷は、多少意識して減らすことは出来ても、発生させないと言うことは不可能だという結論です。


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