低酸素状態がガンの成長を促す証拠


前ページからの続きです。

A 低酸素状態について

 低酸素状態になる原因ですが

1) 物理的な炎症等の圧迫や、低血圧、冷え、ストレス等、何らかの原因で血液の流れが滞っている

2) 赤血球が少ないまたはヘモグロビンと酸素の結合力が弱く(貧血等?)、結果的に酸素の運搬量が少ない

というようなことなのかなと思います。

 そこで日頃から酸素の運搬量が少なくなりがちな、低血圧や低体温、貧血の患者さんのガンの発生率はどうなのかなと思って調べてみました。

 するとガン患者に低血圧の人が多いという客観的なデータはなかったものの、感覚的に多そうだと感じている医師の方は何人かいる、という事が分かりました。ただし統計的データは見つかっていません。

 また低体温についてもガンとの関連を調べましたが、こちらの方がネット上ではガンとの関連性を疑う記述が多いです。しかし統計的データは見つかりませんでした。

 しかもこれらの低血圧や低体温は、ガンが発生したから生じるという記載もあり、どちらが先かと言うことを特定するのは難しいようにも思いました。

 しかしながら、こういった記載がネット上では多数見つかりますので、低血圧や低体温がガンの発生と何らかの関係があると感じている人は多いのではないでしょうか。

 ちなみに我が家の連れも低血圧で、冷えに悩んでいましたので、「もしかしたら」と思える部分があります。

 では貧血はどうか?これも調べてみましたが、こちらはガンによる出血によって貧血になるという記載が多く、貧血だからガンになりやすそうだという感覚を持っている人は少ないように感じました。

 続いて高血圧ですが、これもガンの発生により組織への血液循環が滞るようになり血圧が上がるという記載はありますが、高血圧だからガンが発生しやすい記述は見つかりませんでした。

 ちなみに高血圧とガン発生の因果関係を調べた研究がネット上で見つかりました。「高血圧とがん罹患の関連性に関する後ろ向きコホート研究」という変な題名の文献ですが、鳥取大学の医学部ですから、単なる噂ではないと思います。

 次にストレスですが、ストレスが人体に加わると交感神経系が緊張します。これは基本的に生命が生き抜くために闘争本能が前面に出てきた状態ですが、肉体的なダメージを避けるために、瞳孔は拡大(よく見るため)、呼吸は早く浅くなり心臓の拍動は増加。

 ここまでは良いのですが、問題は血管ですね。末端からの出血を抑えるために血管は収縮します。その結果血圧が上がるわけでが、特にストレスが長期間持続した場合、一部の末端組織が低酸素状態を維持することは間違いないと思います。

 またストレスにより活性酸素が増加し、これがDNAを傷つけガンを発生させるという説明もネット上では見られます。ネット上ではストレス、活性酸素説が主流ですが、私はあえて交感神経系の緊張による血管の収縮という部分に注目しています。

 以上、いくつかの病気とガンの関連を考えると、やはり低酸素状態というのはガンの成長にとって大きな要因ではないのかなと思わざるを得ないような気がします。


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