ここまでのまとめと今後の展開

 悪性リンパ腫リンパ球がガン細胞化したものであるという前提に立って、細胞死(アポトーシス)というテーマを考え、なぜガン細胞が細胞死を迎えずに勝手に増え続けるのかということを、分かる範囲でまとめてきました。

 その過程で、ガン細胞は細胞内の解糖系を主に利用し、ミトコンドリア内で行われるクエン酸回路や電子伝達系といった代謝回路を抑制していることが判明。

 なぜミトコンドリアの活動が抑制されているのかというと、ミトコンドリアが活性化することによって細胞死(アポトーシス)が発動されたり、電子伝達系で生じる活性酸素がガン細胞自らをを傷つけるため抑制しているのではないかと推測しました。

 次に、ではどうやって抑制しているのかということですが、それにはどうやら低酸素状態が絡んでいるという事が分かりました。

 つまり電子伝達系は酸素がないと稼働しないシステムですから、細胞周辺に酸素が不足していれば必然的にミトコンドリアの活動は停滞し、ガン細胞の増殖に都合の良い環境になるということです。

 一方、体内にはおよそ60兆個の細胞があり、これらは日々必要に応じて増殖したり壊れたりしています。その中には増殖過程のDNA分裂時に化学物質が作用したり、放射線が当たったり、炎症が起きたり、更には単なるミスコピーが生じる可能性もゼロではないため、必然的にガン細胞の元になる細胞は毎日のように生まれていると考えられます。

 ところがこれらの細胞が、いわゆるガンとして成長しないわけですから、それは血液の流れがスムースで酸素や栄養分が充分に供給され、ミトコンドリアが活発に活動し細胞死(アポトーシス)が発生すると共に、万一そのような細胞が生き残ったとしても、今度は周辺にある免疫細胞が総動員され、それらは増殖する前に駆逐されてしまうのであろうと考えました。

 つまりガン細胞の元の細胞が発生するのは現代社会ではやむを得ないないことで、問題はそのガン細胞を取り囲んでいる環境が、その後の成長を促していると考えました。

 その環境とは血管の狭窄、血しょうの粘性の増加、組織液の不足等によってガン細胞周辺に低酸素状態が作り出され、それによってミトコンドリアの活動が抑制されたり、免疫細胞が活動しにくい環境となり、ガン細胞が増殖するのではないかと結論づけたわけです。

 そこまで考えたとき、それならこの低酸素状態を化学療法に頼ることなく解消する方法があるのではないかと思えるようになってきました。前ページの最後の部分をもう一度書き出します。血管について書いた内容です。

@ 管がコレステロールで詰まってしまう。

A 詰まらないまでも、コレステロールの濃度が増すことによって、血液の粘性が大きくなって流れにくくなる。(いわゆるドロドロ血液ですね。高血圧の私には耳が痛い話です)

B 血液そのものが正常でも、炎症や外傷等で血管がちぎれてしまう。

C 炎症はなくても、持続するストレスによって交感神経系が緊張し、管そのものが細くなる。

D 低体温や冷えにより、体温の放熱を防ぐために、管そのものが細くなる。

E 低血圧により、血液の流れが悪くなり、毛細血管の末端まで血液が行きつきにくくなる。

F 赤血球数が少ない、またはヘモグロビンの酸素との結合力が弱い等の貧血症状で、酸素の運搬能力が低い。

 この@〜Fについて何らかの自分で出来る対処法があれば、医療現場で行われている治療をより効率的に増強できるのではないかというのがここまでのまとめと結論です。

 以下次の章から、では具体的に何が出来るのかと言うことを考えていこうと思います


表紙に戻る さらに考えると