動脈硬化の具体的要因と対策

 動脈硬化を改善する方法ですが、ネットで調べればすぐに分かります。大きな原因がいくつかあるとされています。

@ 高脂血症

 これはまさに前ページの内容で、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪の量が高い状態です。この量の基準値ですが、血液検査をして

HDLコレステロール(善玉):40mg/dl未満
LDLコレステロール(悪玉):140mg/dl以上
中性脂肪:150mg/dl以上

という基準に引っ掛かる場合は高脂血症と判断されます。この辺りは私も耳に痛い話で、私の場合、今年の夏に行った血液検査では

HDL:88
LDL:129
中性脂肪:114

となんとか合格ラインですが、過去の激務の時期の健康診断結果を見てみると、中性脂肪がなんと401なんていう滅茶苦茶な数字の時もあります。

 しかも私の通院が必要になった高血圧症状はこの頃から始まったようにも思えますので、この数値は見過ごせません。

 またLDLが180なんて言うときもあります。その時期の仕事ぶりを思い返すと、やはり何らかの中心的役割を担う仕事をしていたときに該当していますので、ストレスによる過飲、過食も大きな原因として考えられます。


A 高血圧

 動脈硬化になると血圧が上がる、ということは理解できますが、高血圧になると動脈硬化が起きる、と言うことを最初理解できませんでした。

 しかし調べてみると、血圧が高いと言うことは、血管の内壁にかかる圧力が高いと言うことで、薄皮1枚で出来ているような血管の内壁に、血液が常にいきおいよくぶつかるわけですから、内壁に傷が出来、そこがかさぶた状になり、そのため血管の弾力性が失われると言うことです。

 しかもかさぶたが出来れば血管の内壁も狭くなるので、ますます血行が悪くなり血圧も上がる、という悪循環に陥ります。


B 喫煙

 喫煙というのは、要するにたばこの葉っぱをあぶって、煙だけを吸うという行為です。問題はこの煙に含まれる成分ですね。これについて調べてみると厚労省の調査結果のページがありました。「たばこ煙の成分分析について(概要)」というものです。

 もちろんタバコの吸い方や銘柄によっても成分は違ってくると思われますが、吸い方は標準的、銘柄は仮にマイルドセブンを選ぶと、以下のような結果になるようです。単位は1本あたりの成分量でmg単位です。(mgはグラムの1000分の1です)

一酸化炭素 水分 ニコチン タール ホルムアルデヒド アセトアルデヒド アセトン
11.6 1.39 0.958 11.8 0.0379 0.56 0.295


 その他ここでは書ききれないほどの物質が含まれています。これ以外で有害物質として私が聞いたことがあるものは「ベンゾピレン」「窒素酸化物」「シアン化水素」「アンモニア」「アクリロニトリル」「ベンゼン」「トルエン」等です。

 私は理科の教員なので、これらの化学物質についてはそのほとんどすべてが危険物として取り扱われている物質であることを知っています。

 私自身は20代の頃、タバコを吸っていた時期もありますが、20代後半で禁煙を目指し、30歳以降はまったく吸っていません。今改めてこの物質の名前を見てみると、つくづく吸わなくて良かったなと感じます。

 これらの物質の中で、特に動脈硬化に関係のある物質は一酸化炭素だそうです。この物質は赤血球中のヘモグロビンと結合しやすいため、濃度が濃くなると酸素不足となり意識を失います。一酸化炭素中毒と言われているものですが、この一酸化炭素は血管の内壁をボロボロにすると言うことです。

 他にも肺から上記のような有害物質が血液中に取りこまれますから、当然血液の粘度が高まったり、正常な栄養物の供給を阻害するように思えます。

 というわけで、すでに分かっていることですが、喫煙者が自分の体に何らかの異常を生じたときは、先ずは喫煙習慣を改めるのが第一だと思います。


C その他

 他にも動脈硬化を起こすような原因はいろいろあります。主なものは「糖尿病」「肥満」「痛風」「ストレス」などで、これらの項目を一つ一つチェックして対策を施さないといけないと言うことになります。

 ただBの喫煙を除くと、これらの諸症状の改善にもっとも役立つのが食事と運動と言うことになります。

 つまり良質の食事と適度な運動(ひじょうに曖昧な表現で私はあまり好きではないのですが)によって、「高脂血症」「高血圧」「糖尿病」「肥満」「痛風」等が予防できると言うことですから、考え方にもよりますが、これほど金がかからず簡単な対策はないとも言えます。(ただし実行継続が難しいです)


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