リンパ球を含む
白血球数を増やせばいいのか?

 さて私の個人的な考えですが、NK細胞の免疫力(反応性)を高めるために行える四つの方法は

@ NK細胞の濃度または数を増やす

A 血行を改善し、NK細胞が動きやすい状態にする

B 体温をタンパク質の変性や異常が起きない範囲で上げる。またはCにも絡みますが、酵素等の触媒をうまく活用するために、体温を37度ぐらいにする

C NK細胞が活動する際に利用する化学物質(酵素に限らず)の濃度を濃くする

 だと思うのですが、これを良く読んでみるとすぐ分かりますが、これは別にNK細胞に限る必要はなく、B細胞でもT細胞で同じような条件で、免疫力(反応性)が高まるのではないか思われます。

 つまり上記4項目のNK細胞というところをB細胞やT細胞に置き換えても、まったく問題なさそうだということです。であるならば次の展開はB細胞、T細胞、NK細胞の濃度または数を増やすことが有効か?という問題になります。

 そこで思ったことですが、血液検査を行うと、それぞれの血球数の表示と共に、白血球分画という検査項目が付いてきます。

 ここまできてようやく私自身もこの白血球分画くの重要度が分かってきましたが、分画については次ページで考慮することにして、先ず数について考えてみました。

 例えば何らかの病的な状態でリンパ球や好中球で代表される白血球のそれぞれの血球が著しく減っている、または増えている場合を除いて、通常白血球数というのは健康な人はだいたいある一定の数値に収まっています。

 私が今持っている資料では3000から9000が正常値とされています。これより多い、または少ない場合は何らかの病的症状が考えられると言うことで、この範囲にある場合は正常ということになります。

 すぐ分かるように、この正常範囲は結構広いです。今私自身の過去の職場で行った健康診断のデータを見ているのですが、白血球の数値だけ見ると、最大値はなんと9400なんてのがあります。

 この時を振り返ってみると、激務で体重が増え、アトピー症状が悪化。血圧は上がり、この頃から常時降圧剤の服用が始まっています。この期間が2年ほどありました。

 その後の推移を見ても、やはり激務が重なると白血球数は大きな数字になっています。逆に少ないときは5500ぐらいで、その時期は比較的仕事が平穏な時期でした。早期退職後のこの3年間は6000前後で推移しています。

 私の連れの場合ですが、体調が優れない、体がだるいと言い出した発病年の1月の白血球数は4900でした。

 その後ゴールデンウイークを過ぎ、本格的に検査が必要だと言われた頃が8500。どんどん増えています。さらに大学病院に転院して、病名確定のために検査を続けている最中に14700という大きな数字を記録しています。

 何を言いたいのかというと、白血球数(この中にリンパ球も含まれます)は体の状態に合わせて自動的に勝手に上下していると言うことです。

 つまりその時その時の体の状態を、体内のセンサーが感知し、その状況から何かが勝手に判断して(判断が間違う可能性もありますが)白血球数を調整しているわけです。(何かというのがどうやら自律神経系であることもネットの情報を読んで分かってきました)

 従って、体が自主的に判断して調節している数を、あえて意図的に増やすことにどのような意味があるのか、と考えると、単純に「数を増やせばいい」という考えは通用しないなと思えるわけです。

 その意味では、もしかすると、ストレスや不健康な生活により、本来増えるべき時に増えていない、と言う証拠があれば、これは意図的に増やす価値があると思われます。ただ、それをどのように判断するかと言うのが難しいですね。

 またもしそうゆう状態が存在するなら、先ずそういった生活状態の改善から始めるのが、それこそ免疫力を高めることになり、治療の近道になると思われます。

 なお悪性リンパ腫で化学療法を行うとリンパ球も含めて白血球数がひじょうに少なくなります。この時は意図的に少なくしたわけですから、それを意図的に回復させるためにG-CSF(ノイトロジン等)を使うのかなと思えます。

 そういった場合を除いて、ただ単に白血球数を増やすことは意味がない、と思われます。もし増やすことに意味があるということなら、元気なときにノイトロジンを使用して必要以上に白血球を増やしてガン細胞をやっつける、みたいな治療法があってもおかしくないと思われます。


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