ストレスと免疫力

 すでに前ページでも一部ストレスという言葉を使っていますが、あらためてストレスと免疫力の関係についてまとめたいと思います。

 最初に考えなくてはいけないことは、「ストレスとは何か」ということです。元々の語源から考えるために、手元にある英語の辞書で「stress」を調べてみると

@ 圧迫、圧力、重圧
A (精神的、感情的な)緊張
B 強調、力説、重点
C 強勢、語勢、アクセント
D 応力、重圧、圧力

と言うような語句が並んでいました。@とDは、外から何らかの刺激や力が加えられることを意味していると思われます。

 Aはその刺激や圧力によって、内部が柔軟性を失うことを意味しているように思います。

 BとCは言葉使いに関することかなと思えますので、一般的に健康に関する語句としてストレスという用語を使う場合は、外部からの刺激や力によって、内部が柔軟性を失うような状態になることを意味していると思われます。

 そこで先ず、人間という生体が受ける外部からの刺激とはいったい何かという事から調べていきたいと思います。ウィキペディアを見るとこれについて、分類しているのでそれを引用させてもらいます。

物理的なもの 寒冷、騒音、放射線等
化学的なもの 酸素、薬物等
生物的なもの 炎症、感染
心理的なもの 怒り、不安等


 なおすでに日常生活の中で感じている方もいると思いますが、こういったストレスにも、人間に取って有益な心地よいストレスと、不利益をもたらす不快なストレスの二種類があります。

 当然ながら一般的に有益なストレスは向上心や集中力をもたらします。つまり問題は不快なストレスの存在になります。

 しかし人間はこういった不快なストレスに対しても、様々な形で反応し、それを乗り越えようとします。それがストレス解消と言われるものです。

 ところが不快なストレス刺激が、ひじょうに強いものであり、それが持続的に生じ、ストレス解消という限界を超えてしまった場合、体や心に大きなインパクトを与えます。

 体に大きなストレスが加わったとき、体内ではどんなことが起きるかと言えば、基本的には交感神経系の緊張と言うことになるようです。(前ページ参照)

 問題はこれが一過性のもので、時間が経てばストレスの原因となったものが消えてしまえばいいわけですが、実際にはなかなかそうゆう事にはならず、緊張状態が緩和されない状態が継続したりします。

 そうすると本来は柔軟に自律神経系が、起床と睡眠のリズムを刻み、その中で顆粒球やリンパ球の生産をバランス良く行っていたものが、妙に顆粒球だけが増えると言った状態になり、前に書いたように、顆粒球とリンパ球のバランスがくずれ、結果的にそれが免疫力の低下につながるということになります。

 個人的なことですが、私の連れの場合は、発病直前自分がフラダンスを楽しんでいた関係で、その会を運営を積極的に手伝う役になったようで、結構人間関係等のストレスがあったようです。

 私の方は、恥ずかしながら本人が好きなことをやっているのだから、多少の苦労は当たり前だろう、と軽く考えていた節もあります。

 しかしながら、そういった運営に慣れていなかったのか、今にして思えばそれなりに大きなストレスを感じていたのではないかと思います。

 その上、これまで考察してきたことを振り返ると、季節は冬で、もともと低血圧で冷え性だった連れは、血の巡りも悪かったように思え、ストレスと冷え、低血圧という典型的な悪条件が重なり免疫力が低下。そのため、何らかの細胞が突然異常増殖を始めるきっかけを作ってしまったのかなと思っています。

 一方私の場合は、連れの闘病生活が2年間続き、その間自宅での家事(息子の世話も含めて)、仕事、病院の見舞いという忙しい毎日を送っていましたが、やはりこれも大きなストレスになっていたようで、連れが他界後、1年間は仕事を何とか続けましたが、やはり秋口から、不眠、悪夢、高血圧、早朝起床、眩暈、無気力等のストレス症状が表れ、結果的にこのままではさらに体調を崩すと判断して早期退職をしています。

 ストレスというものがどれほど恐ろしいものか、自分では解消しているつもりでも、知らないうちにじわりじわりと精神的疲労がたまり、それがやがて一気に体調不良という症状となって襲ってきます。

 交感神経系のみが緊張すると言う状態が、長期にわたって継続することがストレスだと今は分かっていますが、当時はそんなことまで考える余裕もなく、ただただ自分の体調不良に怯えていました。


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