体内の水分

 水の種類を変えると免疫力が上がるのか、というのがこれからのテーマです。その中で先ず今日は、体内に含まれる水の種類とその量についてまとめました。

 そもそも人間の体の60%は水で出来ていると言われていますが、この比率も調べてみると新生児は75%、成人で60〜65%、老人で50〜55%だそうで、年齢と共に減少していきます。(この辺り女性の肌の保水率とか、私のアトピーの乾燥肌とも関係しているような気がします)

 しかし私がこのサイトのテーマとして取り上げているのは「悪性リンパ腫」ですから、主として成人が対象になると思われ、基本的に60%ぐらいと考えて良いような気がします。

 次にこの体内の水はいったいどこに存在しているのか、を考えてみます。体重60kgの人の水分が60%ということですから、その重さは36kg(36リットルとも言い換えられます)にもなります。

 サウナに行って汗をかけば、すぐに体重が1〜2kg落ちるのはこの理由によるものと思われます。

 で、これらの水のさらに3分の2(24kg)は細胞の中に含まれ、3分の1(12kg)が細胞の外に存在します。でさらにこの細胞の外に存在する水は、血液、リンパ液、組織液(細胞と細胞の間に存在する液体)に分けられます。

 血液は何回も書いていますが液体成分の中に各種の血球が混ざっています。この液体成分のことを血しょうと言います。従って血液の重さがそのまま血液の水分量にはなりません。

 全身の血液量は成人でだいたい4.6Lぐらいです。その内の半分ぐらいが水ですから、血液中の水分は2.3L(2.3kg)前後となります。残っている量が組織液やリンパ液の量です。

 数字がいっぱい出てきてややこしいので、まとめ直すと

60kg
(60L)

水分以外
40% 24kg
水分 60% 36kg
細胞内の水
3分の2 24kg
細胞外の水 3分の1 12kg
組織液
約80% 9.7kg

リンパ液

血液(血しょう)
約20% 2.3kg


 上記は大雑把な分け方ですが、それ以外にもちょっと日常生活を考えれば分かると思いますが、「唾液」「胃液」「胆汁」「汗」「涙」「鼻水」「尿」といった水分も存在しますが、ここではそれらは無視します。

 この中で免疫力と関係ありそうな水は、リンパ球や好中球を体内でうまく環流させる、細胞外の「組織液」「リンパ液」「血液(血しょう)」の含まれる水分かなと思われます。

 ただし細胞内に入った水の作用により、その細胞が活性化され、リンパ球等の活動が活発になり、それによって免疫力が上がると考えることが出来れば、細胞内の水についても考えなくてはいけないなとも思えます。

 つまり水と免疫力の関係を考えるためには、細胞内の水と細胞外の水のそれぞれのはたらきについて考えなくてはいけない、ということです。


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