水素結合と水クラスター

@ 水分子は極性持っている

A プラスとマイナスの電子は引きつけ合う

という二つのことから、面白い現象が起きます。すなわち水分子は、酸素の周辺が−、水素の周辺がプラスの電気を持っていますから、水分子が二つあると、+と−は引きつけ合うので、水素の近くにもう一つの水分子の酸素が近づいてきます。

      H 
      |
OーH・・・O−H 



 つまり水分子は独立した一つの分子として扱われますが、実際に水として存在しているときは、水素と酸素の間にプラスとマイナスの電気によって生じる引っ張り合う弱い力(静電気力)が生じます。

 この力を化学の世界では水素結合と呼んでいますが、水素結合=静電気力とまでは言えないようです。(この点について追究すると、化学の勉強になりますので、ここではこれ以上突っ込みません)

 当然ながら水分子の数は、たった1滴でもその中に10の何十乗個という膨大な数が含まれています。そしてそれらの水分子は、分子として独立していながら、水素と酸素の間には、ひじょうに弱い力ですが静電気力が生じ、互いに引っ張り合って、緩い集団を作っているわけです。

 しかもこれらの集団はもともと強い力で結ばれているわけではありませんから、ちょっとしたショックですぐに集団が壊れ、また新たな集団を作ると言うことが流動的に繰り返されているのだと思います。で、この水分子の集団の事を水クラスターと呼ぶわけです。

 そこで人体の組織に浸透しやすい水を考えたとき、この水クラスターは小さい方がより浸透しやすいだろうという結論になり、その結果良い水の性質として、水ラスターが小さいことという条件がつき、そのことを売りにする浄水器なんかがあるわけです。

 これについてウィキペディアで調べてみると、実際水分子が何個集まったらどんな形の集合体になるかというモデルプランみたいなものも計算されているようです。

 しかし誰も実際に目で見たわけではないので、あくまで計算上の理論と言うことです。ということは水クラスターが小さい水というのを現実に確かめることは出来ず、またそれっぽい水を飲んだから体調が良くなる(免疫力が上がる)ということも証明するのは難しいような気がします。

 ちなみに浄水器が使っている中空撚糸の中を水を強制的に通すことによって、もしかしたら一時的に一部の水クラスターが壊れて小さくなるのかもしれませんが、それが蛇口から出た瞬間に元に戻るような気がします。

 従って良い水の条件は、水クラスターが小さい、ということではなく、その中に溶けている成分が体によいかどうかということのような気がします。

 余談ですが、化学実験室には純水と言われている不純物の少ない水が実験用に置いてあります。これを飲んでみたことがありますが、味はほとんどありません。水というのは不純物が溶けていることによって味がする、というわけです。


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