ミネラル成分は良い水の条件か?

 ネットで検索すると、「ミネラルを含んでいる水が良い水である」と書かれているものが多いです。しかしその根拠を明確に書いているサイトはなかなか見つかりません。

 確かにミネラルを含んでいると書かれれば、ミネラルという語感がよいせいか、何となく体に良いような気持ちになります。ではこのミネラルという言葉の意味は何か。ウィキペディアで調べてみると

 「一般的な有機物に含まれる元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外に、生体にとって欠かせない元素のことを指す。無機質ともいう。糖質、脂質、蛋白質、ビタミンと並び五大栄養素の一つとして数えられる。」

 と言うように書かれています。つまりミネラルを含んでいると書けば、それだけで五大栄養素が含まれている水と言うことになり、だから体に良い、という結論になるのかなと思えます。

 しかしそれらのミネラルが、前回も書きましたが必ずしも水に含まれている必要はないともいえます。普段食べている食べ物の中にもこういったミネラルが含まれていると思えるからです。

 一方進化という立場に立って、人間はというか生命は海から誕生した。その誕生の痕跡として、我々の体液は海水とほとんど同じ成分を含んでいる。だからこういった水が体によいという記述も見かけます。

 そこで今度は血液中の血しょうの成分を見てみました。結果はタンパク質、グルコース、尿素、尿酸、クレアチニンの他に、ミネラル成分として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、塩素、リン酸、硫酸等のイオンが存在していることが分かりました。

 従って、これらの成分を最初から含んでいる水が体に良い、と言うわけですが、血液(血しょう)は血管の中を流れる液体であって、水は口から飲んで、胃や腸を通っていくもので、本来的には口から入った水と、血管内の液体成分(血しょう)は、まったく別のものです。

 従って水は基本的に大腸で必要量が吸収されているとはいうものの、水の中にミネラルが入っていようがいまいが、食べ物からミネラルを摂取できれば、水の中にミネラルが入っている必要はないように思います。

 また本当に血しょう成分を含んだ水を飲めば体によいならば、人工的に血しょうと同じようなジュース?を作り、それを飲めばよいと言うことになりそうですが、そういった飲料はないように思います。

 さらにさらに、過剰のミネラルを含んでいるような水を大量に飲むと、逆にそれを代謝しようとして、腎臓等に悪影響が出るような気もします。

 こうやって考えていくとミネラルウォーターが体に良いと言う根拠は、そこに含まれているミネラル成分のせいではなく、むしろ自然の水をそのまま飲めば体に良さそうだ、という主観的な自然信仰にあるような気もします。(私自身はアレルギー体質でアトピーや喘息持ちなので、こういった自然信仰については理解しているつもりです)

 しかも都市部の水道は、塩素消毒をしているとか、上流部の水源の水質が悪くなっているという話を聞けば、ますますミネラルウォーターの方が体に良さそうだ、という気持ちが強くなります。

 というわけで、水クラスターの大きさという根拠と同様、ミネラルを含んでいるという理由だけで免疫力がアップする、と結論づけるのは難しいような気がします。


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