酸化還元電位とは

 正直言って困りました。私自身真面目に探せば、もしかしたら免疫力を上げるような水を探すヒントになるような条件が見つかるのではないかと若干期待していたのですが、これまでのところ、「これだ!」という条件はありませんでした。

 ここまでの考察では

@ 水クラスターの小さい水がよい
A 弱アルカリ性の水がよい 
B 硬度が大きい水がよい

という三点をまとめてきましたが、どれも突き詰めていくと、「そうかもしれないが、絶対にそうだとは言い切れない」という曖昧な結論にしかなりませんでした。

 残っているのは、酸化還元電位が小さい方が良い、という項目なのですが、酸化還元電位と言ってもなかなか理解するのは難しいような気がします。

 悪意にとれば、こうゆう専門的な用語を使うことによって、あたかもこれが良い水の条件であるかのような錯覚を生じさせようとしているのではないかとすら思えます。

 というのも酸化還元電位の定義をきちんと説明しているサイトももちろんたくさんありますが、そうではなく酸化還元電位が低いことが良い水の条件となっているので、この水をお勧めします、と書いてあるサイトをいっぱい見受けられるからです。

 そこで酸化還元電位が低ければ本当に体に良いのか、という事になるのですが、これを説明するのは私の力量では無理そうです。

 説明できないのに批判してはいけないと思うのですが、そもそも酸化反応や還元反応は水の中に入っている様々な水以外の物質によって大きく影響されます。

 つまりいわゆるミネラル分の影響もあるし、空気中に存在する酸素や窒素、場合によっては二酸化炭素も水の中に溶けていますので、普通に酸化還元電位というのを測定すると、それらすべてをひっくるめた総合的な数値となってしまいます。

 と言うことは、酸化還元電位が低い水がよいと言う語句は、水内部の成分には目をつぶって、表面上の数値だけを取り上げているに過ぎないということになりそうです。

 では何故水道水の酸化還元電位は高く、ミネラルウォーターは低いのか。ミネラルウォーターの良さを強調するとき、こういった比較をしているサイトが多いように思いますが、これについては水道水中の塩素の影響が大きいように思えます。

 水道水の場合は殺菌の関係からこういった処置をしているわけですが、ミネラルウォーターの場合は、もしかするとそういった処置をする必要がないくらいきれいな水だ、と言うことになるのかもしれません。

 だとすると、何も酸化還元電位という難しい語句を使わずに、単にこのミネラルウォーターは塩素等の消毒薬が入っていませんと強調すればいいように思いますが、そんなことは当たり前だと言うことで、あえて主張していないのかもしれません。
 
 一方、他にも酸化還元電位が低ければ体内の活性酸素を除去する効果があるというような記述をしているページもありましたが、これも乱暴な考えのように思えます。

 そもそも体の中で活性酸素は細胞内のミトコンドリアで生じるわけですが、口から摂取した水がそこまで到達する間に様々な過程を経ますので、細胞内に浸透する頃には通常の水と同じような水になっているように思えます。

 また活性酸素に注目するなら、これを減らすためには、これまで書いてきたような、良質の栄養、充分な睡眠、適度の運動、ストレスの解消の方が効果が大きいように思います。

 というわけで、どうもきちんと論理を追って説明できたわけではありませんが、酸化還元電位が低い=体に良い水、という等式はそのまま鵜呑みには出来ないように思えます。

 それでもあえて言うことが出来るとすれば、ボトル入りのミネラルウォーターは、品質管理さえしっかりされていれば、水道水よりも塩素含有量が少ないので、その意味では体には良い水であると言うことが出来るかもしれません。

 ただそのことと、酸化還元電位が低いから体によい、と言う記述はまったく別の話です。従って私の結論は酸化還元電位が低いと言うだけでは、良い水の条件にはなり得ないということです。

 もちろん異論もあるかと思いますが、今の所私の頭の中では、これが一番納得のいく考えです。


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