体によい水、
免疫力を高める水はなさそうです

 「免疫力を上げる水」または「体によい水」について、いろいろ調べて来ましたが、結果的に分かってきたことは、現在の水道水に対する味や混入物への不満や不安から、もっと自然に生まれてくる水がよいはずだという考えが生まれ、更に自然湧水では衛生面に問題があると考える人たちが、いわゆるペットボトル飲料というものを売り出したと言う構図でしょうか。

 ただ売り出す際に、その水が通常の水道水よりも素晴らしくて体によいと言うことを強調するために、ミネラルが豊富、水クラスターが小さい、硬度が高い、酸化還元電位が低いというような、化学をきちんと勉強した人が考えると「あれ?」と思えるような専門用語を駆使して、良い水であるというイメージを作り出しているような気がします。

 ただしこれまでも何回か書いていますが、ペットボトル飲料が古来から日本人が飲み続けてきた湧き水を元にして、そこからさらに不純物を取り去った衛生的な飲料であるならば、それはわずかながら水道水よりも優れていると言えるのかもしれません。

 本来なら、そういった不純物のない、衛生的な水であると言うことを全面的に前に押し出して、セールストークにすればいいと思うのですが、それよりも専門用語を駆使した方がより美化されると、メーカー側は考えているのかもしれません。

 しかし様々な精製工程を経て、さらに衛生的なペットボトル飲料として生まれているとはいえ、1Lの水が100円とか200円で売られていて、様々な製造過程を経て作られるガソリンと同じ値段(場合によってはガソリンより高いかも)なのはどうにも解せません。

 このあたり、「ミネラルウォーターの原価」というような語句で検索すると、いろいろと値段のカラクリが分かるみたいですが、このサイトの主旨とは違いますのでここには書きません。

 というわけで、良い水の条件として、上記以外にも「活性水素水」とか「酸素水」「海洋深層水」「超ミネラル水」といった言葉も見受けられますが、どうも追究していくと似たような話になりそうなので、これ以上は本筋からはずれてしまい、単なるミネラルウォーター談義になってしまいそうなので、この辺でひとまず区切りにします。

 では体に良い水の条件は何か?ここまでで分かったことは

@ 体が必要とするミネラル分を多少含む
A 飲んだとき美味しい
B 人工的な化学物質(トリハロメタン等)の含有量が少ない
C ほぼ中性かアルカリ性
D 日本人としては硬水よりも軟水の方がなじみ深い

ぐらいの程度の事であり、この中で一番体にとって影響が大きい要素はBの、人工的な化学物質が少ないと言うことなのかなと思えます。その意味では、鉄瓶で湯冷ましを作る、と言うのが鉄分補給と余計な塩素を揮発させるので、水としては良い水になりそうです。

 特に南部鉄瓶あたりは、貧血の人が湯冷ましを作って飲むと効果があるのかもしれませんが、ではどの程度と聞かれたら返答に窮します。

 個人的に思うことは、水の種類を選ぶことより、水をきちんと飲んで(水不足にならないように)体調管理に努める方法が一番良いように思います。つまり水の種類より飲み方を重視すると言うことです。

 しかしながら、自分自身が「体に良い水を飲んでいる」と思うことは、ある意味心理的なヒーリング効果があり、もしかすると免疫力は多少アップするかもしれません。

 しかしそれはどちらかというともはや水信仰に近いような気がします。つまり自分の病気がこれを飲むことによって治るんだと強く念じることによって、免疫力が増すということです。「笑い」の効果と似ているかもしれません。

 ちなみに私の連れが悪性リンパ腫となり血液検査をしたとき、血液中のカルシウム分が多く、それが腎臓に悪影響を与えていて、水を多く飲むよう指示されました。

 また化学療法を受けているときも、やはり腎臓に影響が出ないように、水は多めに飲んでくださいと言われました。ところがどちらの場合も水道水は飲まない方が良いですということで、私は連れの飲料用に、病院へ見舞いに行くたびに500mLペットボトルを1ダースとか24本とか購入して持っていきました。

 この重さが結構重くなるので、わざわざハンディタイプのキャリーカーまで買いましたが、この時医師はペットボトルは500mLがベストで1L以上は駄目です、と言っていました。

 理由は、要するに蓋をとった瞬間、空気中の雑菌がペットボトル内に入ってしまうので、一度に全部飲みきれない1Lのボトルは衛生上良くないということでした。

 大量化学寮法を行う場合、白血球の数値がゼロ近くまで下がりますので、無菌室で生活するのがベストなわけですが、その際飲物も水道ではなくペットボトル、それも500mLと指定されたことに驚かされました。

 逆に言えばいくらペットボトル飲料と言えでも、蓋を開けたり閉めたりしている内にどんどん汚染が進むと言うことだと思います。

 また水道の場合は、蛇口付近に雑菌がついている場合もありますし、水道管自体の内部の汚れ具合も分かりません。その意味では、ペットボトルの方が安心できる飲料だったと言うことなのかもしれません。


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