黒酢とは

 黒酢とは何かと言うことですが、読んで字のごとく黒い酢です。ふざけて書いているわけではなく、もともとの酢(化学で言うところの酢酸)は淡い黄色をしているので、何で黒いのかなと言うのが気になっています。

 調べてみると製造の過程で黒くなると書かれています。もちろん色合いは真っ黒と言うわけでもなく、茶色とか焦げ茶とかいろいろあるみたいです。つまりそれぞれの黒酢によってその製造過程や成分が違うと言うことです。

 しかしそうなると黒酢の一般的な効能を考えるためには、原料や製造過程で共通することを調べないといけないということになりそうです。面倒だなと思いつつ、私もかつて、酢は高血圧に良いと言うことを聞いてしばらく試したことがあるので、改めて調べてみることにしました。

 ちなみに高血圧については、私の場合その効果はほとんど無かったように思えます。私の高血圧は、食生活やストレスの影響が大きかったようで、それを穏やかに改善する前に諦めてしまった感があります。

 それはそれとして、先ず製法から調べてみると、原料になる穀物(米、大麦、ハトムギ等)や果物(リンゴ、ブドウ、柿等)から酒を醸造し、そこに酢酸菌(アセトバクターとう名前の菌)を加え酢酸発酵させて作るそうです。(ウィキペディアより)

 ということは酒の醸造についても知っておかないといけません。私自身知らないことばかりなので、一つ一つ調べているので、このページをまとめるのに結構時間がかかってしまいました。

 先ず「アルコールの醸造」ですが、要するに原料となる物質に酵母菌を加えて、その酵母のアルコール発酵作用によりアルコールを発生させる行程のことを言います。

 この行程は、味や風味を考慮せず、単純にアルコールを発生させるだけなら結構簡単です。要するに砂糖等の溶液に市販の乾燥酵母を加えればいいだけです。

 すぐに反応が始まり気体が発生します。この気体の臭いを嗅げばアルコールだと言うことが分かります。高校の生物で行う実験です。

 次にこのアルコールの混ざった液体に酢酸菌を加えると、この菌はアルコールと酸素を反応させて酢酸(いわゆるお酢のこと)を発生させます。(この実験は高校では行いませんので、私はやったことがありません)

 この製造過程そのものは食酢も黒酢も同じようですが、どうやら製造時間が大きく異なるようで、食酢は三ヶ月、黒酢は1〜3年かけるとネットに書かれていました。

 つまり黒酢の方は食酢に較べて長時間発酵させるため、この過程で酢酸以外の様々な物質が生まれることになり、それが体に良い、と言うのが黒酢が健康食品としてもてはやされる理由のようです。

 ではこの酢酸以外の物質は何かということですが、どうやらキーになるのはアミノ酸のようです。アミノ酸というのは、分子構造を見ると、1個の炭素原子に特定の原子のかたまりがいくつかくっついた構造をしています。

 これらのアミノ酸は、ひじょうに多数の種類があるのですが、人間の体を構成しているアミノ酸はその中の20種類ぐらいです。さらにその20種類の中の8種類は、人間の体内では合成できないため、食物から直接摂取する必要があります。これを必須アミノ酸と呼んでいて、健康飲料の成分に良く含まれています。

 さらに20種類のアミノ酸は、それぞれが互いに結合することが出来ます。そうやって結合して大きな分子になったものがタンパク質です。つまりアミノ酸は我々の体を構成している基本物質であるといえます。

 そこで多数、他種類のアミノ酸を含む黒酢を摂取すれば、例えば片寄った食事をしていて必須アミノ酸が不足していた場合、黒酢の中のアミノ酸がそれを補ってくれる、と考えるわけです。

 しかしこの論拠は裏を返すと、キチンとした食事を摂っていれば、黒酢は必要ないと言う根拠にもなりそうですし、必須アミノ酸が本当に不足しているのかどうかが自分で分かっていないと、黒酢摂取の意味は無いことになります。

 一方、実際に黒酢を販売している健康食品のページをいくつか見てみましたが、含まれているアミノ酸が多いとか、ある程度その名称が書かれているページはありましたが、いわゆる薬のように、何とかという成分が何g中このくらい含まれていると書いてあるページはないように思えました。

 つまり多数他種類のアミノ酸が含まれていることは何となく納得できましたが、例えば免疫力を高めるためにどんなアミノ酸が必要で、それをどのくらい含んでいるからこの製品は優れていると書いてあるページはなさそうだということです。

 ということは、摂取する側にアミノ酸が不足していて、黒酢の方にそのアミノ酸が含まれていると言うことが効果が出る条件となるわけです。

 従って摂取する側は何が不足しているかを知り、その成分が購入しようとする黒酢に含まれていないといけないと言うことになります。

 しかし一般的にはそこまで理屈っぽく考えるのではなく、体を構成しているアミノ酸で不足しているものがあったら、黒酢にはほとんどのアミノ酸が含まれているから、きっとそれを補ってくれるのだろうと期待して摂取するのかなと思います。

 またそういった摂取によって、体内の代謝活動が活発になる可能性があると考えることが出来れば、免疫力の向上にも役に立っていると考えることも出来ます。

 それにしても、それでは酢の効果はいったいどうなっているんだろうと思えます。もし特定のアミノ酸が不足しているということが分かっているなら、そう言った成分を含む健康飲料を飲めばいいのであって、わざわざ酢を飲む必要はなさそうです。

 というわけで「酢」の効能についても調べないといけないなと思うようになりました。


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