ネトルとは

 ネトルとは、ウィキペディアによればイラクサ科イラクサ属の植物で葉と茎に刺毛があるのが最大の特徴みたいです。というのも、この刺毛というトゲの中に「アセチルコリン」と「ヒスタミン」を含んだ小さな袋みたいなものがあり、トゲに触れてこの袋が破れて皮膚に付くと強い痛みを生じるからです。

 ちなみに高校生物の資料では「アセチルコリン」は筋肉の収縮と記憶に関係すると書かれています。また「ヒスタミン」はアレルギー反応が起きるときに分泌されている物質です。

 利用にあたっては植物全体を日干しし乾燥させるようですが、中でも葉の部分を利用したものが「ネトル茶」と呼ばれ、健康食品として販売されているみたいです。

 当然ながら、その効能が気になるところですが、その前に何故「イラクサ」が「ネトル」という名前になっているのかが気になりました。

 調べてみると、ネットではトゲをあらわすneedleという英語が由来であると書かれたページが多く見受けられましたが、更に調べてみると、「イラクサ」の英語名が「nettle」でした。(英和辞典で見つけました。辞典にも食用、薬用という語句が添えられています)

 健康食品として販売する場合、「イラクサ」では印象が悪い、と言うようなこともあるのかもしれません。

 次に有用と思われる成分ですが、上記の「アセチルコリン」や「ヒスタミン」の他に強調されている成分は「βカロチン」「ビタミンC」「各種ミネラル」「ケルセチン」等です。

 この内最後のケルセチンがアレルギー症状特に花粉症を緩和する物質として紹介されているページがありました。

 そんな便利な物質が含まれているなら飲用を考えてもいいかなと思ったのですが、ケルセチンという物質自体についてまたまたウィキペディアで調べてみると、我々が普通に食べているリンゴ、タマネギ、ブドウ、ブロッコリ、その他葉菜類や柑橘類に含まれていると書かれていますから、花粉症だからと言ってネトルを飲む必要はなさそうです。

 またヒスタミンですが、上に書いたようにアレルギーの原因物質ですから、無闇に摂取するとかえって花粉症が悪化するような気もします。

 ネットではお茶の形で少しずつ摂取することによってアレルギーに慣れるという記述がありましたが、アレルゲンに慣れる減感作療法は聞いたことがありますが、ヒスタミンそのものを摂取して良いのかなと、アトピーと喘息持ちの私は不安になります。

 またミネラルが多いので貧血に良いという記述も見られました。しかしながらそういった記述を読んでどう思うかというと、ミネラルが多くて貧血に効くなら、普通にホーレンソーやレバーを食べた方が良いのではないかとつい私は思ってしまいます。

 何故に普通の食べ物ではなく「ハーブティー」なのか。βカロチンにしても、人参やトマトを食べていれば充分なような気がします。
 
 野菜を食べると言うより健康食品を摂取するという方が、効率的なのか、それとも手軽なのかよく分かりませんが、安い野菜ではなく、あえて高い健康食品を購入する積極的な理由がよく分かりません。

 成分の中に、既存の食べ物には含まれていないようなものが大量に含まれていて、それが体によいことが証明されているならば、それは購入する価値があると思うのですが、調べれば調べるほど別にこれを摂取しなくても既存の野菜で充分だなと思えます。

 まあ私のようなある意味へそ曲がりのおじさんが斜に構えて健康食品を論じても結論は見え見えなのかもしれませんが、あまりに「これは効く」と思わせるようなニュアンスが多いので、だんだん一つ一つの健康食品ついて調べていくことに飽きてきました。
 


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