健康食品の効果

 健康食品について、その成分や効能を調べ、それが実際に人体に対してどのような働きをするのかということを詳しく調べていくと、どの健康食品も最後は曖昧な記述に到達し、本当は効くのかどうか分からないけど、もしかしたらこんな効能が期待できるのかもしれない、という程度のものであるということが分かってきました。

 しかしこれはそもそもその程度の効能しか期待できないため、薬という分類になっていないという裏返しの定義でもあります。

 もし健康食品に、ある特定の有用な成分が多量に含まれている事が分かったならば、製薬会社はその会社の存亡をかけて、その物質を取りだし製品化し薬にして売り出していると思います。

 また少なくともそういった食品を含んだ漢方薬等の開発に乗り出しているのではないでしょうか。しかし単に巷の噂で体によいとされているだけで、製薬会社が薬の成分として見向きもしないような健康食品は、その薬効はほとんど期待できないという結論になりそうです。

 これについてもう少しきちんと知っておく必要があるなと思い、厚労省の健康食品についての解説ページを見ています。
 
 先ず分類ですが、人間が口にするものとしては「薬」または「食品」の二種類しかないという事が明確に示されています。

 その上で食品は三種類に分かれる形になっています。一つが一般食品、次が栄養機能食品、最後が特定保健用食品で、後になるほど分類上薬の領域に近づいています。

 では健康食品はどの分類に入るのかと言うこと、ごく普通の「一般食品」に分類されています。ということは、我々が普段から摂取している、肉や魚介類、野菜、牛乳、ジュースといった食べ物とまったく同じ分類だと言うことです。

 つまりある健康食品が体によいと信じて摂取するのと、大根やトマトが体によいと信じて摂取するのは、分類上はまったく同じ事だと言うことになります。

 従って胃の調子が悪いから、ちょっと大根おろしでも食べよう、というのと、ちょっとこの健康食品で胃の具合を良くしようと考えるのは、発想としてもその効能としてもほとんど差はないと言えます。

 一方で普段食べ慣れない健康食品と称するものを、体によいと信じて大量に摂取した場合の被害は、通常の食品の食べ過ぎよりも大きくなる可能性もあります。これは上記のページの健康被害情報を見れば一目瞭然です。

 また食品の安全に関するQ&Aというページでは、これまで私が調べてきた「アガリクス」や「αーリボ酸」等についての問題点も指摘されています。

 さらに「健康食品」の安全性・有効性情報のページでは、ものすごい数の健康食品について、その安全性について説明が書かれていますので、ある健康食品を利用したいと考えている人は、一度は必ずこのページを参考にすべきだと思います。

 また厚労省が作成している「健康食品」に関するパンフレットは、私がこれまで調べてきたことで疑問に感じながら書いてきたことを的確に表現しているように思います。

 このパンフレットを見てもよく分かりますが、キャッチフレーズに飛びついて安易に「なんとなく体に良さそうだ」と考えて摂取するのが一番良くないようです。最後の方には、医者からもらう薬との相性も記述されています。

 これをみると、健康食品を多量に摂取することによって、医者からの薬の効能を弱め、さらに体に悪影響が出るという可能性も否定できないということがよく分かります。


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