フコイダン

 抗ガン作用や免疫力強化といった語句に関係する健康食品として「フコイダン」の名前は「アガリクス」や「霊芝」といったものと同じぐらいよく聞きます。

 というわけで調べる方もちょっと気合いが入っています。早速ウィキペディアで調べてみるとコンブやワカメ、モズク等の粘質物(ドロドロネバネバした成分)に含まれる食物繊維であると書かれています。

 このネバネバした成分は、一般的な健康食品でも良く体に良いと言われていますが、何故ネバネバが体に良いのかについては、また別の機会に調べてみようと思っています。

 この食品が注目されるきっかけになったのは、ウィキペディアによると、1996年の日本癌学会で制癌作用が報告された事によるものだそうです。当たり前ですが、普通に食べている食べ物の中に制癌作用のある物質が含まれていたということが分かれば注目されるのは当然です。

 このことについてウィキペディアでは詳細が示されていなかったので、改めて検索してみると、日本癌学会という組織は実在し、きちんと活動していることが確認できましたが、この1996年の報告について検索できるようなリンクはありませんでした。

 ただいくつかの健康食品を販売するページで1996年の報告が紹介されていて、それらのページで制癌作用としてあげられているのが

@ ガン細胞のアポトーシスを誘導するような作用(つまり自滅させる作用)
A ガン細胞の増殖を抑制する作用
B NK細胞の活性化(免疫力の強化)

という3項目でした。この中で多くのページで強調されているのは@のアポトーシス誘導作用です。これは要するに、体内に入ったフコイダンがガン細胞に対して、自滅するような指示を出しているということのようです。

 しかしウィキペディアでは、1996年以降に培養細胞や実験動物を使った研究がいくつかあると書かれていますが、人間に対して行われた臨床的研究はほとんど発表されていないということです。

 裏を返せば、実験室でガン細胞にフコイダンを加えればガン細胞にアポトーシスが誘導されることは確認できるが、実際に人体内で同様の事が起こるのかは不明であると言えそうです。

 またその後の人体での実験結果についての臨床試験が無いということは、実際にはやってみたけどほとんど効果がなかったため臨床例として発表できない、という事だったのかなという気もします。

 ではなぜ実験段階ではうまくいくのに臨床例が発表されないのか?または実際にやってみたけどうまくいかないのか?ここが問題だと思うのですが、それについてのの記述をネットでは見つけることが出来ませんでした。(探し方が悪いだけなのかもしれません)

 というわけで、ここから先は、次ページ以降で私なりに考えてみたいと思います。


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