ローヤルゼリー

 今回このページを書くに当たって、改めて「ローヤルゼリー」について調べているわけですが、大きな勘違いをしていることに気がつきました。それはローヤルゼリーと蜂蜜というのを、ほとんど同じ物質だと思いこんでいたことです。

 蜂蜜というのは、いわゆる花の蜜であって、ミツバチが花から集めて巣の中で加工、貯蔵したものとなっています。加工という部分が若干不明ですが、基本的には花の蜜です。また以前調べたプロポリスも、樹液としてミツバチが集めているもので、どちらも植物が作り出した物を濃縮したものと解釈して良さそうです。

 ところがローヤルゼリーは働き蜂が花粉や蜂蜜を食べてから、それを体内で一旦分解し、さらに再合成したものをアゴにある腺から分泌する物質であるということですから、その出来方はまったく違うことになります。

 またミツバチの社会では、このローヤルゼリーは女王蜂になるために生まれてきた蜂が、生涯にわたって食べ続ける物質のようで、この豊富な栄養によって体は大きく成長し(通常の2〜3倍)、寿命も延び(30〜40倍)るそうです。(ウィキペディアのデータです)

 色は蜂蜜とは異なり白色でクリーム状。若干の酸味があるそうですが、栄養分豊富で寿命が延びると言われれば、人間に対しても相応の効果を期待したいと考えるのは当たり前です。

 ウィキペディアに書かれた歴史を読んでみると、ローマの教皇が老衰で危篤状態に陥ったとき、このローヤルゼリーで回復したという経緯があり、その後全世界にこのことが広がり、日本では1959年の新聞記事から関心が集まるようになったと書かれています。

 そんなこんなでローヤルゼリーが注目され、健康食品に拡がってきたわけですが、成分を見ると確かに多種多様な成分が含まれています。逆に言うとどの成分がどのような効果を持って、人体にどのような影響を及ぼすのかはよく分かりません。

 ただ有効とする研究の項目では、「冷え性」「肩こり」「耳鳴り」「血圧改善作用」等々様々な症状に対する改善の報告があるようです。

 こういった症状が改善するということの解釈ですが、要するに栄養素のバランスが崩れているとき、ローヤルゼリーは様々な栄養素を含んでいるため、足りない栄養素を補う効果があり、体全体の栄養素のバランスが改善すると言うことなのかなと思えました。

 人間の体は、過剰なものは排出し、不足しているものをなんとか手持ちの材料を使って複製しようとするのだと思いますが、偏食や睡眠不足、ストレス等で栄養が偏ったとき、足りないものを補うという意味でローヤルゼリーは効果があるのだと思います。(だからこそ老衰に対する一定の効果があったのかなと思えます)

 しかしでは実際にどの程度効果があるのか?そしていわゆるガンに対しても効果があるのかとなると、いくつかのページでは、効果があると言われている、というような文章が載っていますが、書き方からしてあくまで伝聞であって、その効果について実証したデータを示しているページは、私には見つかりませんでした。

 一方、逆にアレルギー体質の場合は、アレルギー反応を起こす場合もあると警告しているぺーじもありますから、使用に当たっては注意が必要だなと感じました。

 総合的に言えることは、アレルギー体質以外の方で、普段から偏食であるとか外食ばかりとか、食事が片寄っている場合、栄養補給のために摂取すれば一定の効果があるのかもしれませんが、病気の治療という観点では厳しいような印象を受けました。


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