ヤマブシタケ

 名前から想像すると、竹か茸のどちらかだろうと思えます。調べてみると茸の仲間です。その事を念頭に置いて、前ページで一般的な茸についてまとめました。

 さて、このヤマブシタケですが、ウィキペディアに掲載されている写真を見ると、房状の茸であるように思えます。分類としてはサンゴハリタケ属だと書かれていますが、素人にはその属の特徴すらよく分かりません。

 色は白からクリーム色だそうで、全体の雰囲気が山伏の房状の装束に似ているので、この名前が付いたということのようです。確かに形を見ると茸というより、密集したしだれ桜のようにも見えます。

 中国では山海の珍味の一つとして扱われているみたいです。つまり食用になるということです。

 成分にはαグルカン、βグルカンといった多糖類が含まれているそうで、これらの成分が免疫を強化する作用を持つとされているのかなと思えますが、臨床的に証明された例はなさそうです。

 また一般的には認知症等に効果があると記載されているページが多いように思えました。確かに「ヤマブシタケ 服用してみたら」という検索語句を使ってネット情報を調べてみると、多数のページが検索されました。

 一部のページを読んでみましたが、頭がスッキリした、くどい話が無くなった、成績が上がったといような体験談が紹介されていましたが、そのすべては健康食品の販売会社のものであって、一般の方が自前のブログ等で経験談を語っているようなページは見つかりませんでした。

 その意味では、飲んでも多量ではなければ有害ではないと思えますが、効果があるかどうかは疑問であると言わざるを得ません。

 ちなみに効果を調べている過程で、「ヤマブシタケ がんに効能なし 消費者庁が業務停止命令」というニュースが出てきました。

 ヤマブシタケを摂取すればガンが治り認知症にもならないと電話で勧誘し、販売していた業者があったそうで、契約者はなんと5万人。売り上げは12億円と書かれています。ということは一人あたり24000円。

 購入した方は、自身の健康に良かれと信じてのことかと思われますが、そもそも電話勧誘をしてくること自体が怪しいと思わざるを得ません。

 またこういった勧誘によって業務停止命令を受けたという事実があることこそ、効能そのものがそれほど期待できないという証拠であるような気もします。

 というわけで、現在もアマゾンあたりでは販売しているようですが、認知症や抗ガン効果という文字は一切ありません。日々の栄養源という語句のみです。

 であるならば、普通に市販されている食品も、日々の栄養源であると言えるはずです。あえて言うとβグルカンやその他ヘリセノンD、エリナシンCという物質が、健康に役立つと信じられるなら購入しても良いかなと思いますが、これらの物質が入っているから健康に良いと証明されているわけでもないので、最後は信じるか信じないかという世界になってしまいそうです。


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