どんな臭いがリラックスできるのか

 音楽療法が、心身のリラックスを目的にしていて、ある場合は瞑想の補助的な役割を担う可能性があると言うことが分かりました。つまり人間の五感に対して、その方が好むような刺激を与えることによってリラックス出来るという事です。

 であるならば、いわゆる人間の五感すべてに対して、同時に最も適切な刺激を与えることが出来れば、より一層リラックス感は高まるのかなと思えます。

 そう思って人間の外界に対する感覚器を調べてみると、五感ではなく六感でした。は「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「平衡感覚」「皮膚感覚」がそれに相当します。

 とすると、次はやはり「嗅覚」について調べないといけないなと思ったのですが、このジャンルは嗅覚ではなく、最近は「アロマテラピー」という語句で言い表されるようです。

 そこでいつものように「ウィキペディア」で「アロマテラピー」について調べてみると、「花や木など植物に由来する芳香成分(精油)を用いて、心身の健康や美容を増進する技術もしくは行為のこと」と書かれています。

 つまり自然界に存在する天然の匂いを嗅ぐことによって、心身にリラックス効果をもたらすという意味だと思われます。具体的な製品は自然食品や石鹸の店、さらには瞑想(メディテーション)をテーマにするような店でよく見かけます。

 こういった匂いのリラックス効果は、実はこういったお店でわざわざ製品を買う必要もなく、日常的に良い匂いの体験をしているような気もします。

 例えば草むらに入れば、草の匂いがします。私が朝や夕方にウォーキングで歩いている河川敷には、夏には草が生い茂り歩く場所がないというような状態になりますが、その中をあえて歩くとこういった匂いを感じます。

 海に行けば潮の匂いがして、思わず「あ〜海はやっぱり良いなあ」と思うわけですが、これなんかは潮の匂いと波の音の相乗効果かもしれません。

 さらに山道を歩けば、巨木から発せられると思われる森の匂いがします。山歩きが好きな人は、もしかしたらこういった匂いに魅せられているのかもしれません。 

 要するに自分にとって、「これは好みだ」と思える匂いがあれば、それは心身に対してリラックス効果があると言うことだと思います。

 アロマテラピーの場合は、こういった漠然とした自然の匂いではなく、特定の植物の花や葉、果実から発せられる匂いを集め、それを意図的に室内に拡散させることによってリラックス効果を高めると言うことなのだと思います。

 実際ウィキペディアには20種類ぐらいの精油(アロマテラピーに使われる匂いのもと)があげられています。またそれぞれの精油が人体に対してどのような効果があるかと言うことも書かれています。

 この中で、あえて免疫力やガン治療に関係ありそうなものを選んでみると、

ローズマリー:血行促進作用

ラベンダー :止血作用

ティートリー:抗菌作用

フランキンセンス:免役強化作用

グレープフルーツ:リンパ系刺激作用

ネロリ:抗不安作用

 他にも様々な種類があり、それぞれある種の薬効があると言われていますが、ウィキペディアでは、薬効については民間ベースの記述を元にしたもので、あくまで参考程度であると考えているようです。

 また最初に説明したように、いくら薬効作用があっても、それが自分にとって不愉快な匂いならば、リラックス効果はもたらさないはずです。基本的にはやはり自分の好きな匂いを嗅ぐのが一番よいと言うことになりそうです。

 なんとか作用という効能だけに注視してしまうと、本来の目的である肉体や精神のリラックスが達成できません。つまり臨床試験も行われていない効能を重視するより、自分の好みの匂いを嗅いだ方が良いというのが私の結論です。

 そして実は自分が求めている匂いにこそ、自分に必要な薬効があるのではないかというようにも感じています。
 


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