電磁療法(電磁波による温熱療法)

D 電磁療法

 電磁療法とは一体どんな療法なのか?電気と磁気に関する療法だろうということは、漢字を見れば分かりますが、具体的にどのようなことをやるのか? 

 調べてみると、うつ病の治療と言った項目が出てきますが、ガンに対する治療でないことは明らかです。ではガンに対する電磁療法とはどのようなものか?

 どうやらガンに対しては「温熱療法」という語句になるようで、ガン細胞が熱に弱いことを利用して行う治療です。

 ガン細胞というのは、増殖するときその細胞の周りにデタラメに血管を作ってしまう性質があるようです。つまり上水道と下水道をゴチャゴチャにつなぎ合わせて水を流すというイメージで、当然自然な流れとはほど遠くなります。

 血液というのは、酸素や栄養分の運搬という役目を持っていますが、もう一つ体温の運搬も行っています。活発に酸素を消費するような細胞からは熱が出ます.。つまり運動している筋肉からは熱が発生します。(だから体が熱くなるわけです)

 この筋肉で発生した熱が血液に寄って全身に運ばれ、体温が維持される(または体表から放熱される)ということになりますが、当然血の流れが悪い部分があると、そこには熱が行き届かないため「冷え」の原因になるわけです。

 ガン細胞の場合は、周辺の血流がスムースでないため、外から熱は運ばれにくく、逆に中にたまった熱も外に出にくい状況になっています。

 そんな環境の中で増殖しているガン細胞に、外から無理矢理熱を加えてやると、その熱は細胞周辺にこもることになり、細胞自体が熱によって破壊されてしまいます。その目安となる温度が42度ぐらいだそうです。

 42度と言えば熱めのお風呂の温度ですから、ピリピリするような熱いお風呂に入れば、ガンに対しても効果がありそうな気がしますが、、実際には皮膚表面の毛細血管がものすごい勢いで皮膚の熱を運んでいきますから、お風呂の熱では体の内部にあるガン細胞までは到達しにくいという実情があります。

 それでも体全体を温めれば効果がありそうな気もしますが、その場合は体全体への負担が大きくなり、ガン細胞云々よりも体調そのものが悪くなる可能性があります。(サウナに1時間はいるようなイメージでしょうか。実際に体全体を温める温熱療法もあります)

 そこでガン細胞が局所的に増殖していると言うことが分かった段階で、その部分だけの温度を上げられないかという発想になるわけです。

 問題はどうやって特定の患部のみを温めるかと言うことですが、ここで電磁波が登場します。電磁波というのは、物体を通過するときにそのエネルギーの一部が、物体に吸収されることがあります。エネルギーを吸収した物体は、一般的に熱を発生します。

 この原理をうまく応用したものが電子レンジで、レンジ内に高い周波数の電磁波を発生させ、食べ物の中の水分子がそのエネルギーを吸収する事によって、食べ物の温度が上がります。

 同様のことを人間のガン細胞患部に対して行おうというのが電磁療法(温熱療法)というわけです。つまりガン細胞が増殖していると思われる一部組織に対して、電磁波を加え熱を発生させ、ガン細胞を衰退させるという療法です。

 そこまで分かっているなら、最初から外科的な療法で患部を摘出するとか、レーザーで焼き切ると行った方法が考えられると思いますが、電磁波の場合は、患部を切らなくても、外部から電磁波を充てることによって、該当部分だけを加熱することが出来るみたいです。

 なおウィキペディアで温熱療法を調べると、要は患部が熱せられる療法ですから、その熱源としては電磁波に限らず、赤外線やレーザー、温灸、超音波といった用語も出てきます。つまり電磁療法は、温熱療法の中で、電磁波を使って患部を熱する療法だといういうことです。


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