悪性リンパ腫の原因と予防に関して

 「悪性リンパ腫」という思ってもみない、聞いたこともない病名を医師から告げられ、最初は名前の恐ろしさに狼狽え、それでもなんとか病気が治ればという願いを込めて大学病院での治療が始まりました。

 その間、医師には何回も「この病気の原因は?」という問を投げかけ、その度に「現在まだよく分かっていません」という何とも頼りない返事にがっくりしたことを思い出します。

 悪性リンパ腫の原因については、今も分からないものの、「ウイルス」「炎症」「放射線」「各種の有機物」等々、いわゆる一般のガンの発症と似たような、よく分からない原因が発端となり、造血幹細胞のDNAに何らかの欠陥が生じたんだと今は思っています。

 しかし通常は、そう言った欠陥細胞(欠陥リンパ球)は、生まれた瞬間に生体自身が持っている、欠陥細胞感知システムに引っ掛かり、細胞死(アポトーシス)が誘導されるはずです。

 またその細胞死が誘導されなくても、体内をパトロールしている免疫細胞が、これらの欠陥細胞を発見し、これは異常だというサインを全身の免疫細胞に連絡し、よってたかって殲滅する、というのが普通の体の中で行われていることのようです。

 実際我々の体は60兆個とも言われる細胞で出来ていて、それらがそれぞれの周期に従って日夜分裂を繰り返しているわけで、まったくなんら原因がなくてもDNAのミスコピーが起きる確率は少なからずあるのだと思えます。

 ただ普通はそういったミスコピーによって生じた欠陥細胞は、上記にまとめた細胞死や他の免疫細胞によって駆逐されているために、大多数の人は平穏な生活を送ることが出来るわけです。

 ところが、欠陥細胞が生まれたとき、それを殲滅、駆逐する作用が充分に行われないときがあり、その場合はそういった欠陥細胞が大手を振って増殖を繰り返すという事になります。

 そうやって特殊な欠陥細胞が増え、塊になったものが腫瘍ということになるのかなと思いますが、我が家の連れの場合のような悪性リンパ腫の場合は、塊にならず、全身に散らばるということになり、治療が難しくなりました。

 そう考えると、悪性リンパ腫が発症するかしないかという境目は、欠陥細胞が生じたとき、それを見つけられるかどうか、さらに見つけた後駆除できるかどうかと言う事が大きな問題であるように思います。

 であるならば、欠陥細胞を見つけるかどうかと言う探知システムや駆除できるかどうかと言う免役システムの働きが何らかの原因で低下していたから監視の目をすり抜けたと考えることも出来ます。

 では低下した原因は何か。これは一般的な病気すべてに共通するなと思えるのですが、やはり「ストレス」「睡眠不足」「片寄った食事」「運動不足」が先ず大きなポイントであり、その次が個々人の年齢や様々な生活環境による原因があるのかなと思えます。

 後者の具体例としては、「更年期」「低体温」「冷え」「低血圧」さらには「体内のちょっとした炎症」「副流煙も含めた喫煙」「内臓機能の低下」等々、様々な理由を考えることが出来ます。

 というわけで、今更ながら常日頃からの健康管理が大事だなと思うわけですが、上記の項目を改善することは、病気への予防にはなっても、今まさに勝手な増殖を繰り返して大きくなってしまったガン細胞に対しての効果はあまりないように思え、結局化学療法に頼らざるを得ないというのが現状なのかなと思っています。


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