リツキサンの効果が充分にでない理由

 
6.リツキサンに対する抵抗力の増加

 原理は不明ですが、何回もリツキサンを使用すると、徐々にその効果は失われるようです。体にとって、異物反応が出ないように遺伝子工学で作られた薬剤ですが、初回投与時の病院側の緊張感はただならぬものがありました。

 それほで、言ってみれば「投与してみないと、どんな結果になるか分からない」薬剤であるといえます。

 逆に言えば体がその薬剤に対して危険性を察知し、防衛反応を取るからこそ2回目以降の副作用は少なくなると共に、一方でリンパ腫細胞への効果も徐々に減っていくように思われます。


7.薬そのもの不確実性

 我々が風邪をひいたら「総合感冒薬」というのを服用しますが、これはほぼ万人に共通して効果があると認められたものです。

 ところが「リツキサン」に限らず、ガンに対する薬物は、これまで得た知識によれば、その効果は副作用も含めて個人によって千差万別で、「実際に投与してその結果を注視する」という反復であり、「投与してみないと結果は分からない」という曖昧な世界です。

 つまり残念ながら現代の医学ではリンパ腫細胞を完璧にやっつける特効薬は見つかっていないという残念な結果で、現状は嫌な言葉で書くと、「うまくいったら万々歳」。

 うまくいかなかったら「残念です」の一言で終わってしまうと言うことです。

 以上から、患者さん側の考え方としては、出来る範囲での運動やストレッチ、家族が出来ることとしてマッサージによる血行の回復が良いかなと思えます。

 また同時に弱った体で無理に「化学療法」や「リツキサン」を投与しなければならないときは、本人の意向を充分に尊重すべきだと思えます。

 当然ながら、「QOL」:患者さんの生活の質の向上が第一目的ではないかと思えます。


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