悪性リンパ腫には大変効果のあるリツキサンですが、前のページに書いたように、体力がないと免疫が働かないため、折角の治療が無駄に終わってしまう可能性があります。
また以前はこの薬剤は保険がきかなかったようで、患者さんは自費負担で投与されていたようです。Yの時は保険でできますから、という話しでしたが、その話しのニュアンスからすると、何万円もする薬剤のようでした。
さてリツキサンの実際の投与にあたっては、上記の注意点の他に、初回投与時に副作用として特有の発熱があるということでした。
またリツキサンが効き過ぎた場合、腫瘍が一気に消滅して、それが返って体に悪影響を及ぼすことがあるという説明も受けました。
以上の二点を確認した上で実際に投与が行われました。この頃Yはまだ個室で治療を受けていて、普段はプライバシーの問題もあり入り口のドアは閉められています。
ところがこの日はドアは開けっ放しで、投与後は30分から1時間毎に看護士さんが容態を確かめにくるという念の入れようでした。
つまり急な発熱や腫瘍の消滅による悪影響を考慮していたわけですが、幸いにも特に問題なく治療を終えました。
ちょうど私が面会に行った頃投与が終わっていたのですが、いつも違う雰囲気を感じたことをはっきり覚えています。
効果のある薬だとは思いますが、副作用と効き過ぎには要注意の薬であるということも良く分かりました。
その後何回もこの薬を使っていますが、物々しかったのは1回目だけでした。2回目以降は副作用も極端に少なくなるようです。
実際の効果ですが、比較対照できるものがないのでよく分かりません。ただ退院後も数回リツキサンを使用していた感じでは、効果のある薬なんだなと思いました。
しかしYの場合は残存細胞が手強く、いくらつぶしても骨髄のどこかに隠れているらしく結局再発となってしまいました。残念です。