あらためてガンの発生について

 妻が他界して早いもので2年が経過しました。今でもこのホームページの闘病記を読むと、自分で書いたものなのに感情的になってしまい、本来ならもっと文章を校正しないといけないなあと思いつつ、読むのが怖くて?そのままになっています。

 一方で、連れがいないという生活環境が徐々に当たり前になり、一体全体妻はなにゆえあのような病気になってしまったのだろうか。そしてその病気は自分の力(自然治癒力)で治すことは不可能だったのだろうか、という疑念が消えません。

 そこで改めて一般的なガンのイメージを自分なりにまとめてみようと思い立ちました。

 そもそも人間の細胞は毎日のように分裂をしていますが、そのとき常に最初の細胞とまったく同じ細胞を作るとは限りません。つまりミスコピーは日常的にいつも起きていると考えられます。

 私は細胞分裂はDNAやRNAといった難しい有機化合物によって行われるということを知っていますが、基本的には、たとえばコピー機で何かをコピーするのと同じだと考えています。

 ただコピー機の性能にもよりますが、コピーされたものは、最初のものよりわずかですが必ず質が落ちます。

 コピーした紙を使って、またコピーを何千回、何万回と繰り返せば、質はどんどん低下し、最初は意味のある文字や絵であったものが、やがては単なる落書きのようなものに変わってしまうはずです。

 それと同じ事が細胞内で行われているわけで、ある意味それが老化という現象につながっているのかなと単純に解釈しています。

 で、このコピー、すなわち細胞分裂の過程で情報が劣化していくのはしょうがないとして、その劣化の頻度が著しい場合、もはやその細胞は元のような働きをしないようになり、さらにはその変な遺伝子を持った細胞が自身を増殖させていくのがガンなのかな、というイメージを持っています。

 ということは、このような現象は人体そのものが細胞で出来ている以上、人体のあらゆる場所で起こりえると言うことになります。

 それを我々は外から眺めて、発生した部位で便宜的に分けているだけで、要するに元を正せば細胞のミスコピーであると言えそうです。

 であるならば、ガンを予防するには、先ずこのミスコピーが起きるような環境を極力、人体内に作らないように努力するということが一つの条件かなと思います。

 例えばコピー機の寿命は機械類の摩耗や電気系統の接触不良で起きると思いますが、人間の場合も様々な組織がいろいろな仕事を請け負っている中で、徐々に組織の疲弊が起こり、老化またはガンの発生と言うことになるのかなと思います。

 もちろんこれらの機械は新品でも初期不良といって不具合が生じることがあります。これは若い人に発生するガンと同じかなと考えます。

 つまりガンはいつでも、どこでも発生する確率があるが、予防処置としてはその確率を下げるしかない、ということであり、若い人は部品が新しいのでその発生確率が低いということです。

 もう一つは、ミスコピーによって生じてしまったガン細胞を早期に体内の組織が感知し、やっつける体勢を体内に持っていなければいけないということになりますが、これが免疫に相当するものだと思います。

 そして免疫では手に負えなくなった場合は、医療機関に委ねるということになります。


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