悪性リンパ腫になる原因

 ガンになる原因として、喫煙や食生活の欧米化、ストレス、低体温がガンの発生数と相関関係にある事が分かり、これらがガン発生の有力な因子になっていることは間違いないようですが、「悪性リンパ腫」に関しては、どうも相関関係を持つ因子が見つかっていないようです。

 ただし悪性リンパ腫の中で一部の種類については、関係のある細菌が見つかっているようです。これは「ガン総合情報」というサイトの中の悪性リンパ腫の原因というページに一部記載があります。

 それによると「成人T細胞白血球及びリンパ腫」の原因の一つとして「白血球1型ウイルス」(ATLウイルス?)、「パーキットリンパ腫」は「EBウイルス」、「MALリンパ腫」は「ピロリ菌」「ヘリコバクター」などがあげられています。

 しかし多数のブログやサイトを見ても、これだという表現は一つもなく、そのような要因が考えられるという程度であって、ましてや私の連れが患った「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」の原因について考察しているページは、調べた範囲では見つかりませんでした。

 つまり結論から言えば原因不明です。これは医学的見地に立ったとき、相関関係にある因子が見つからないということを意味します。

 私もYの主治医に、何回か原因について尋ねたことがあります。しかし主治医は専門家であるにも関わらず、「原因は不明です」を繰り返すだけでした。

 しかし、そういわれて「ああそうですか」と簡単に納得できません。そこで以前のページで、原因として考えられることを素人の立場で列挙してみたわけです。その時の記述では「放射線」「更年期」「化学物質」「単なるミスコピーの確率」「炎症」といった項目を書きました。

 この中でYに該当するのは「更年期」「殺虫剤等の化学物質」「炎症」「単に確率上生じたミスコピー」それに前回は書きませんでしたが「ストレス」もあったかもしれません。

 また単に確率上生じたミスコピーも実は、上に書いたいろいろな要因が積み重なって生じるとも考えられます。そうするとあとは悪性リンパ腫の患者さんの生活様式を統計学的に処理して、どれが相関関係にあるのかを調べる必要が生じますが、それを私が行うのは不可能です。

 そうすると現状では、やはり原因不明のミスコピーであるとしか言いようがありません。

 一方何らかの作用で生じた悪性リンパ腫の細胞は、普通の状態なら異常細胞ですから自分自身の遺伝子コードによって自然死が起きるはずです。

 しかし中にはうまく生き延びる細胞があるのかもしれません。そうすると今度は体内の免疫系が作用して、これらの細胞を駆逐するはずです。

 それでも生き残った細胞があり、それらが活発に分裂を始めるとガンになるわけです。そうすると病気のメカニズムのポイントが少し整理できます。

 つまり何らかのミスコピーが起きているが、その原因として特定できる物は今の所見つかっていない。そこで普通なら「自然死」するはずの細胞がそうならずに生き残る原因をつきとめ、自然死のメカニズムを誘発させる方法がないか。

 自然死しなかった細胞が、免疫系に見つからずに増殖できる原因を究明する。その場合細胞そのものの構造がステルス爆撃機のように探知されにくい構造なのか、免疫系の探知システム自体に問題があったのかというようなことを調べるといいのかなと思い始めました。


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