大学病院の最初の診断について

 以下は地元の病院から大学病院に転院し、初期の腎不全の兆候が少し収まり、肺で活発に稼動していたと思われるリンパ腫細胞による炎症がわずかに改善された頃の医師の言葉です。

  最初に言われたのは「若いため病気の進行が早いようです」と言う言葉。

 若いと言うことは(当時のYの年齢は46歳)それだけ細胞分裂が活発に行われているので、がん細胞も活発に分裂する余力があると言うことだと思いました。

 逆に言えば、年齢とともに細胞分裂の周期は遅くなり、古くなった細胞が増えるとともに、ガンの進行も遅くなると解釈してよさそうです。

 次に言われたのが、「早期に治療したいのですが、体力が落ちています。現在大量のステロイド剤を処方した関係で熱が収まり、体調が良くなったように見えます」

 と言う言葉で、私自身はステロイド剤と言うものを自身のアトピー治療で使ったりしていましたが、大量に使用することによって抗炎症効果があると言うことを知りました。

 よく考えてみると、アトピーも実は一種の皮膚の炎症であって、それを抑える効果があるから治療薬に使われているのだと思いました。

 ただアトピーにしても、連れの悪性リンパ腫にしても、炎症を抑えると言う効果はあるものの、炎症の原因となるものについての効果はないわけで、アトピーにしても悪性リンパ腫にしても、ある意味一時しのぎでしかないと言うことになります。

 ちなみにその後大量の抗がん剤による治療が行われましたが、このときも常にステロイド剤が併用されていました。

 これは悪性リンパ腫によって生じる様々な炎症の他に、抗がん剤そのものによって体の組織が傷つけられるので、その炎症を抑える役目を担うために使用されるのかなと解釈しています。

 さらに医師は「体力がない時に抗がん剤の治療を行うと、腫瘍崩壊症候群(抗ガン剤により腫瘍細胞がいっきに血液中に溶け出し、体に異変が起きる)により腎不全や心不全にいたることがあります」

 という患者にとっては不安に思えるような話をしてくれました。これは要するに、抗がん剤の効果によって悪性リンパ腫細胞がなだれを打って死滅し、それが血液中にあふれ、腎臓や心臓に大きな負担がかかると言うことを意味していたのだと思います。

 最後にCRPについての説明。

 「CRP(炎症反応)は20から9.6に下がりました。ただし正常値0.25以下なので、まだかなり大きな値です。体のあちこちで強い炎症が起きている証拠です」

 このCRPについては闘病記にも書きましたが、かなり鋭敏な指標だと言うことが後々分かってきました。

 つまり体内にちょっとでも炎症があると、この数値がすぐに上昇し、直り始めるとすぐに下降します。この数値の上下動と発熱にはかなりの相関関係があるように感じました。 


トップぺージに戻る 治療中に気がついたこと 血球数低下時の注意事項