安心していた矢先に発熱

 8月21日(火)、転院65日目。

 突然高熱が出たと、Yから昼過ぎにメールがあった。急な発熱が起きることがあるとは聞いていたが、いざ起きてみると何をしたらよいのかさっぱり分からない。

 ここまで順調だっただけに、何かとんでもないことが・・・と不安になるが、ともかく急いで病院に向かう。

 病室に入り、Yの顔色を見てから、すぐにメモを見る。朝平熱。血圧正常。ところが12時に突然38度の熱が出る。血圧も若干上昇気味だ。

 本人が、急な発熱を感じてびっくりしたことも原因の一つだろう。あまり騒ぎ立ててもしょうがないので、取りとめもない話をしていると、主治医があらわれた。

 「急な発熱がありましたので、現在採血によって発熱の原因を探っています。原因が分かって熱が下がるまでは、次のラステットの投与は延期です」と、こちらの不安に臆することなく、淡々と事実と対処法について解説してくれる。冷たいわけではない。むしろ誠実な印象だ。しかしその後、熱は39度を越す。 

 Yに聞いてみると、寒気、頭痛、息苦しさを感じるという。喉は痛くない、足が冷たいと、珍しくいろいろな症状を訴えてきた。さすがに不安があるのだろう。

 さらに主治医は「発熱原因として考えられることは、リツキサンの副作用、ノイトロジンの副作用、感染症、リンパ腫、のどれかです」

 「レントゲンと血液検査の結果を見て判断したいと考えています」、といくつかの原因を列挙してくれた。

 原因がわかったところでどうなるものでもないが、妙に安心できるのも事実だ。そんなわけで点滴には抗生剤としてセフォンとアミカシンという薬剤が追加された。

 ところが夕方になり、私が病室にいる段階でさらに熱が急上昇。なんと三九・七度だ。慌てて看護士さんの所に氷をもらいに行く。

 見かけは顔色もよく、足先の冷えも良くなったといっていたので、熱が下がったかと思っていたが逆だった。いつも陽気なYも、さすがにだるそうに寝ているだけである。

 22日(水)。熱については、夜半から解熱剤の効果が表れて、少しずつ下がってきた。メールが来るので、逐一状況把握が出来る。

 血液検査の結果CRPが0.205から7.66へ急上昇していることが分かった。「感染症が疑われる」と主治医から言われたようだ。頭痛、かなりきつい腰痛、はげしいだるさを感じている。味覚異常も継続している。

 感染症の原因は、CVの管からの感染。Yの場合は足の付け根から毛細管を血管内にいれている。これが、数ヶ月たつと挿入部分で炎症を起こすことが多いらしい。

 結局いったん毛細管を抜き取ることになった。その間点滴が腕に変更になる。これで炎症は治まるはずだが、腕からの点滴は結構扱いにくく、また安眠の邪魔になる。落ち着いたらまた元の場所に戻す予定だ。

 リツキサンの翌日から投与を予定していたラステットは、結局明後日以降になった。解熱剤は昨晩以降飲んでいないが、熱は37度代になった。

 点滴はいつもの栄養剤にアミカシンが加わり、さらに経口でメチコバール、タケプロン(胃十二指腸潰瘍治療薬)、フルコナゾール(次抗真菌剤)、ムコスタ、バクタ(抗菌製剤)が処方されている。

 だるさとノイトロジンによる腰痛が激しいが、容態は安定している。ただ薬の種類が半端じゃない。しかもそれぞれ飲み方が違う。百円ショップで、飲み忘れ防止用のケースを購入した。


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