骨髄抑制で高熱

 6月2日(月)、再発入院18日目。白血球が下がり始めたとメールで連絡があった。

 午後病院に行き、血液検査結果を見ると確かに減ってきている。(5月30日は6020で、今日は2210)通常の半分程度だろう。それでも今日までは病院内なら出歩いても良い許可が出ている。(1000以上あれば、許可されることがある)

 白血球増加を促すノイトロジンを注射された。点滴より量が少なくてよいときは、注射になるようだ。減少量がまだそれほど激しくないということだろうか。この薬は注入するとき、薬剤が濃いため若干痛みを伴うらしい。

 注射が終了したので、またまた二階の喫茶店へ行きコーヒーブレーク。取りとめもない話だが、話していれば時間つぶしになるし、おたがいの気持ちも通うので、それなりのヒーリング効果もある。当然話題の中心は夏のハワイ旅行だ。

 ついでに10分ほど中庭のオープンデッキに出て、外のちょっと湿っぽい空気を呼吸。締めっ切りの病室の空気とは明らかに違う。外の方が雑菌は多いはずだが、不思議と清清しく感じる。

 4日(水)。体調不良はほとんどなく、一時期感じていた足のだるさも治ってきたが、白血球の数値がガクンと下がった。なんと330である。

 好中球も50しかないので、この先まだまだ下がりそうで、熱が出ていないのが不思議なくらいだ。感染症に注意しなくてはいけない状態になった。

 しかし食欲もあり、昨年の悲惨な状態とは全く違う。この調子でリンパ腫細胞が消えてくれれば言うことは無いのだが、果たして思惑通りにいくだろうか。血小板も下がっているので輸血の必要性ありと、たまたま来た主治医が言っていた。

 5日(木)。 夜にメールがあり、血小板輸血がかゆみで中止になったことを知った。インターネットで調べてみると、血小板輸血の際にかゆみが生じるのは良くあることらしい。だいたいどの患者さんも輸血の前にかゆみ止めを服用している。これまで何も無かったのが不思議なくらいだ。

 今後はかゆみ止めを服用してから行うことになった。熱は37度ぐらいの微熱との事で、白血球が少ないので多少の微熱はしょうがない。

 6日(金)。治療開始約10日後、遂に恐れていた発熱が始まった。夕方は微熱だったが、その後急激に上昇。37.6度。白血球の値が340と低く、CRPが2.17と上昇したので、抗生剤と解熱剤のカロナールが処方された。

 今日が一番ひどい日かと思っていたら、翌日はもっとひどくなった。この日はそこまで予想できず、安心して帰宅。

 7日(土)。熱が39.6度まで上昇。「解熱剤で汗を大量にかいたので、洗濯してほしい」というメールが来たため、急遽病院へ。

 高熱の割には意識もしっかりしているし、食欲もあるみたいだが、味覚異常も出てきた。カロナールを飲めば熱はしばらくの間下がるが、数時間後急上昇する。これの繰返しなので、かえって体の負担になる。

 血液検査結果を見ると白血球は160と最低値。CRPは26.5と最高値。時期的にも一番厳しい時期だ。好中球も10しかなく、新しい血球はできそうにない。さすがに厳しい。

 昨年長期に渡り強い化学療法を経験しているので、今年は骨髄の血球生産能力が衰えていて、すぐに増産体制に入れない。発熱は覚悟していたが39度越えは高すぎる。本人の前では気にしないように振る舞ったが、やはり心配だ。

 ノイトロジン、カロナール、ビタメジンが処方され、赤血球、血小板の輸血が行われ始めた時点で帰宅。こんなに薬漬けにしていいのかというぐらい種類が多いが、白血球が無い以上しょうがないのだろう。明日また洗濯に行く必要がある。


トップぺージに戻る  第7章 再発入院、そしてハワイへ 発熱が峠を越すへ