ここまでの記述で、改めて大きさに関する部分をもう一度書きます。
先ず人間の身長ですが、比較しやすいように仮に子供ぐらいの身長を想定して1(m)とします。
次に最初の方に書いた、細胞の大きさを改めてみてみると、以下のような数値になっています。
神経細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞:約0.1(mm)
人の精子:0.06(mm)
人の肝細胞:0.02(mm)
白血球:0.006〜0.02(mm)
赤血球:0.0005〜0.002(mm)
これをあえて0.01(mm)ぐらいと考えると、1(mm)は1(m)の1000分の1なので、細胞の大きさは人間全体の大きさの100000分の1となります。
次に一番単純でなおかつ生命にとって必要な水分子の大きさをまとめました。その結果分かったことは、水分子の一辺の長さは0.0000001(mm)だと言うことです。
つまり細胞1個の大きさに較べると、水分子は100000分の1となり、人間と細胞の大きさの違いに匹敵することになります。
何でこんなことを考えているかと言うと、水や栄養を吸収するのは腸だということが分かっているのですが、その腸の内壁を構成するのは細胞ですから、細胞が水や栄養分を吸収していることになり、その吸収のメカニズムを知る前に、大きさを考えておきたかったからです。
さてそうなると、1個の細胞の大きさは、水分子の10万倍の大きさということになりますから、逆に水分子を1cmぐらいの大きさと考えると細胞の大きさはその10万倍、すなわち10万cmになりますから、その大きさは1000mということになります。
つまり一辺が1(km)のサイコロのような立方体が細胞に相当し、その周りに水分子があるとすれば、その大きさは1(cm)だということです。
当然そのサイコロの表面を構成する細胞膜も分子で出来ているなので、分子の細かい網のようなものが細胞膜を構成し、その間を水分子や栄養分が通過しているというイメージになります。
つまり縦横高さが1kmぐらいの巨大なビルがあって、そこにいろいろな形の窓があって、その窓を通して物体をやり取りしているというイメージでしょうか。
ちなみに腸は、胃でドロドロになった食べ物から様々な物質を吸収するわけですが、その代表的なものが糖類とアミノ酸です。
こういった物質の分子量は200前後ですから、分子の大きさとしては水の分子量が18なので、だいたい10倍ぐらい。
つまりその大きさのものぐらいまでは腸が吸収すると言うことになります。上記の例で言えば、一辺1(km)の立方体(細胞)が、1cm程度の大きさの水分子や10(cm)程度の分子をやり取りしているということになります。
またさらに、逆に言えばそれ以上の大きさのものは吸収しにくいと言うことになりそうで、このあたりが怪しげな健康食品と関連しそうです。
すなわち、いくら体に良いと思われる物質であっても、それをそのまま腸が吸収しているのか、という問題です。
基本的に人間の消化吸収というのは、食べたものを分解して吸収し再合成するというメカニズムになっているようですから、有用だと思われるものを食べても、その分子量が巨大であった場合、消化の過程で分解されてしまい、その物質をそのまま吸収できるとは限らないということです。
むしろ必要とする(素材となる)物質の成分が含まれている食品を食べたほうが健康に良いという結論になりそうです。
ただし、有用な物質をそのまま吸収することが出来、それぞれの組織までそのままの形で運搬し、そこで使用できれば、わざわざ再合成する必要はなくなりますので、その意味では細胞の負担は軽くなるような気もします。。
だとすれば、次に考えるべきことは、細胞が細胞膜を通して、どういった作用で有用な物質を吸収しているかということを調べないといけないということになりそうです。
つまり細胞膜の構造を調べ、、細胞がどのように物質を選択し、吸収しているのかを考えないといけないということですが、このあたりになると専門的知識が必要で、私もよく分かっていません。
少しずつ調べながら更新していこうと思います。