ステロイド剤以外の薬

 ステロイド剤以外には、最初の頃書いた汗取りようの「天花粉」を使いましたが、一時的な効果しかありませんでした。

 また痒いときはしょうがないので、いわゆるかゆみ止めとして「ムヒ」のように、塗るとすっきりするものも使いました。

 「ムヒ」は、塗った直後たしかにすっきりするので、掻痒感は一時期収まりますが、しばらくするとまたムズムズしてきます。本来の使い方ではないので、これも対処療法だと思います。

 また、乾燥してカサカサしたとき、皮膚に湿り気を与えるためにクリーム類を塗ったこともあります。一時期「馬油」が良いと聞いて使ったこともありますが、これは湿り気が強すぎて、皮膚がベタベタしただけでした。痒みも収まりません。

 漢方の軟膏として赤軟膏として知られる「紫雲膏」や黄色い色の「中黄膏」等も使いましたが、これらは荒れた肌を整える効果はあるようでしたが、痒いときに塗ってもますます痒くなるだけで、長期間の使用が出来ませんでした。

 ネット上ではこれらの軟膏で治ったという記述もあるようですが、やはりこれも対処療法の一つだと思います。

 また「ワセリン」や「ヒルドイド」という薬を使ったこともあります。いろいろやってみた中では、症状が軽くて乾燥肌ならワセリンが一番良いような気がします。

 この他にも内服薬として、「抗ヒスタミン薬」というのがあって、これを飲むと痒みが収まります。その間に症状が改善すればいいのですが、そんな簡単に治りません。

 しかししつこいようですが、いずれも対処療法であって、根本的には何の解決にもなっていません。というわけで、アトピーを根本的に治そうと思ったら、普通の薬剤ではうまくいかないということが徐々に分かってきました。

 繰り返しになりますが、そう言ったことが分かってきて、自分の生活環境を見直すという最初の記述に戻ってきました。

 アトピーの嫌な所は、言葉で表現すると単なる「痒み」であって、この「痒み」についてなかなか他人には理解してもらえないことです。

 痒ければ掻けばよい、というのが一般的な考え方だと思うのですが、掻いても掻いても痒みが収まらない、という体験はなかなか理解してもらえません。

 また掻いた結果、皮膚は赤くただれたり、掻いた後が残ったりします。いっそのこと皮膚1枚をべりっとはがしたいと思ったことが何回もあります。

 さらにず〜っと書いてきたように、アトピーに対する治療は、ほとんどが対処療法であって、根本的な解決には至りません。

 その結果発症から、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、それこそ病気が何十年も続きます。私自身は中学生の頃発症し、現在も軽くはなりましたが折に触れて痒くなりますので、都合45年以上この病気と付き合っていることになります。

 この間、中学時代から30代終了ぐらいまでは、良い悪いを繰り返しながらも全体として症状は悪化していました。しかし40代になり、様々な情報を知るようになり、また自分でもこれではいかんと思うようになってから、生活環境を徐々に見直しました。

 また40代になり、職場環境も変化し、ストレスが減ったことも症状が良くなった一因だろうと解釈しています。もちろん40代になってすぐに良くなったわけではなく、周期的な症状悪化を繰り返しながら徐々に良くなったという印象があります。

 結局アトピーの原因は今でもよく分かりませんが、食生活を見直し、添加物等を出来るだけ避け、きれいな水を飲み、ストレスを減らすことがターニングポイントになったようです。

 医師からの薬は途中途中の本当に辛いときの症状緩和に使うぐらいでいいのではと思うようになっています。

 今でも特定の場所が痒くなったりしていますが、痒みが強いときは冷水で冷やし痒みを止めてから、白色ワセリンを塗ることで、肌に湿気を与えると、それほどひどい所まではいかなくなりました。

 ともかくこの病気と付き合うには、根気強さが必要です。絶対に症状は軽くなるはずだ、という信念を持って、生活基盤を一から見直し、ストレスを溜めないようにすることが症状改善の近道だと思います。



タケノコ


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