牛生レバーが7月から販売禁止(2012.6.24)
牛生レバーが7月から禁止になるそうです。私は普段から食べませんので気になりませんが、好きな人もいるでしょうから、その人にとってはショックだと思います。またレバ刺し等を提供していた食肉業者さんも、この決定により営業面で影響を受けると思われます。
食中毒の危険性を減らすという意味では賛成できるような気もしますが、国が単に販売禁止として一律に規制すべきなのかどうかについては、ちょっと疑問も感じます。
例えばフグの毒性についてはほとんどの方が知っていて、私は海釣りが好きで、たまにフグを釣ることもありますが、すぐに放してしまいます。(陸に放り投げて干からびさせる釣り人も居ますが、フグも生態系を構成しているはずですから、食べないんだったら無闇に殺してはいけないと思っています)
ふぐの毒については、食べればほぼ100%中毒症状が出ますから、これは規制の対象になって良いと思います。まただからこそフグの調理師免許と言ったものも意義があるのだと思います。
一方牛の生レバーについては、たしかに昨年4月の焼肉店での事件で亡くなる方が出ましたから、食中毒症状を発生させた場合のリスクは大きいのだと思います。
ただこれまで何十年にも渡って生レバーを提供していた店もある中で、この事件を通してのみ、突然すべてを否定するような法的規制はどうなんだろうか、という疑問が消えません。
食べ物というのは、売っているから安全なのではなく、消費者自身が目の前の食べ物が安全であるかどうかを見極める目を持たないといけないと思っています。
私はここ5年近く、自分の家で調理をし、息子に食べさせていますが、息子が腹痛を起こしたという経験はありません。それは賞味期限や消費期限の表示を見て、また冷蔵庫に入れておいた野菜であっても、見た目と臭いで調理をする前に腐敗していないかどうかを見ながら調理をしているせいだと自負しています。
このことについては良かったなと思っていますが、反面腐った食べ物というのがどのような臭いを発するか、と言うことを今の子供達は知らないんだなとも思っています。腐った生ゴミの臭いを知らなければ、目の前の食べ物が腐っているかどうかは判断できません。
すべての危険性を除去した社会(そんなことは不可能だと思いますが)では、目の前にある食べ物が危険であるかないかの判断は、すべて人任せになってしまいます。
食べ物は腐敗することがあり、また食品添加物も加えられていて、さらには残留農薬とか抗生物質といった問題もあります。それらすべてを考えて、自分である程度リスクをとりながら食べているというのが現代社会の食生活だと思います。
徹夜で運行する観光バスの問題でも感じましたが、安いものには何らかの理由がある。その理由を受け入れる覚悟がないと利用できない、という消費者側のリスク認識も大事なのではと思っています。
ただ病原性大腸菌の場合は見た目や臭いでは判断できないでしょうから、何らかの規制は必要なんだろうなとは思います。