患者も自己防衛が必要

医療事故が急増中(2014.4.30)


 今日のヤフーニュースで医療事故の報告件数が、2013年度は2708件だったという記事が出ています。統計を取り始めた2005年は1100件ちょっとだったと言うことで、約2.4倍に増加だそうです。

 しかしながら報告の無い医療事故もあったと思いますので、実際にはもっともっと多いと言うことも考えられます。

 一方、ニュースでは増加率が問題になっていますが、そもそもこの数字は多いのか少ないのかと言うことが気になります。

 そこで先ず厚労省の患者数推移という統計数値を検索してみみました。するとこんな数値が出て来ました。昭和30年(1955年):235万人。昭和40年(1965年):580万人。昭和50年(1975年):789万人。昭和59年(1984年):770万人。平成8年(1996年):881万人。平成17年(2005年):856万人。平成20年(2008年):826万人。

 つまり2005年と2008年度を比較すると、総患者数は増えていない(減っている)のに医療事故件数は増えていると言うことになりますので、確かにこれはひじょうに問題がある事態だと言えそうです。

 ただし仮に総患者数を900万人と見積もっても、医療事故に遭遇したのは2708件ですから、全体の0.03%に過ぎず、件数だけなら確率的にはかなり小さいと言わざるを得ません。

 その意味では、諸外国の件数と比べたわけではありませんが、日本の医療はかなり優秀であるとであると言えそうです。しかし当然医療事故と通常の治療とのグレーゾーンや報告されていない件数も含めたら、何らかの医療トラブルに巻き込まれる可能性はかなり高くなっているともいえそうです。

 ではどんな医療事故があるのか?これは「日本医療機構評価機構」と言う組織が報告書をまとめていましたが、ものすごいページ数で前半をざ〜っと読むのが精一杯でした。要するにどんなことでも医療事故は起こりえるということです。

 一般的に患者は医療機関を信頼し、ある意味専門家に自らの命を委ねるという部分が大きいと思いますが、患者自身が投薬や医療内容について充分な知識を持ち、自己点検をしないといけない時代になりつつあるなと感じます。

 身近なところでも、医者や薬局から渡された薬がいつもと違っていたなんてことは私にも経験があります。それだけ医療現場が忙しくなっているということだろうなと思います。また私自身が薬を飲み忘れたとか、飲みすぎたと言うこともあります。

 実際それ以外に、私も一教員として、たとえば生徒の出席を付け忘れたり、配布すべきものを渡さなかったり、ちょっとした言葉のやりとりで生徒に不快な思いをさせたり、といった苦い思い出があります。

 教員の場合は、それらの行為が命につながるようなことにはならないのでまだ救われていますが、人間である限り同様のミスは起こりえることは間違いありません。

 ということは、医療現場もそれと同じと考えれば、患者自らが自分の病気に対する知識を持ち、治療法に対する知識やその方法に対してチェックする気持ちを持たないといけない時代になったんだろうなと思います。


体調良好時の健康診断


健康診断、医療


表紙に戻る