血液検査で尿酸値が高いと「痛風」になりやすいようですが、なぜ痛くなるのかということを知っておくと、多少予防になると思います。
尿酸というのはC5H4N4O3というややこしい化学式で表されますが、これが腎臓で普通に排泄されている内は問題ありません。
ところが食べ過ぎや腎臓の病気で血液中に尿酸が増えすぎると、もともと水には溶けにくい物質のため、血液中のナトリウムと結合して「尿酸ナトリウム」という物質になります。
特に血液や尿が酸性化していると、水への溶解度がますます低下し、さらに尿酸ナトリウムが作られやすくなるようです。
出来上がった尿酸ナトリウムは、尿中や関節で結晶になります。尿中に出来たものは「結石」になり、関節で出来たものが「痛風」になるわけです。
尿酸ナトリウムの結晶を写真で見ると、白っぽい針状結晶で、これが関節に集まって来るのかと思うといかにもチクチクしそうな感じです。不思議なことにこの結晶は足の親指の付け根が大好きなようで、私も左足の親指で発症しました。
というわけで、ともかく食べ過ぎなければ腎臓の病気がない限り、必要以上の尿酸は出来ないので痛風にならないはずです。
痛風の予防では尿酸のもとになるプリン体を多く含む食物を食べないようにと言われ、特にビールなんかがやり玉にあげられています。しかし個人的な感覚から言わせてもらうと、ビール等の飲み物に関わる食べ過ぎのほうが、その原因に近いように思います。
しかし現代社会においては常にストレスがあり、どうしても飲み過ぎ食べ過ぎはついて回ります。食べ過ぎるなと言ってもなかなか難しいなと言うのが実感です。
そうなると再び痛風の危機が訪れる訳ですが、一度痛風を経験すると、なぜかその予兆をはっき感じ取れるようになります。
それはどうしてかというと、そのあまりの痛さから「二度と経験したくない」と思うようになり、足の指先の痛さに敏感になるからです。
私が最初に痛風を経験したのは春先ですが、その後なんとなく予兆を感じたことがこれまで5回以上あります。その予兆が本当に痛風の予兆であるのかどうかは、その後うまく回復しましたので確信はもてません。
しかしそれは予兆を感じたときから、それなりの対策を取ってきたからだと思っています。
先ず予兆ですが、やはり右か左の足の親指先端にじ〜んわりした痛みを感じたり、ぴりぴりした痛みを感じたりすることから始まります。
この段階では、特に足の腫れも見られません。
感じるのは夏場が多いように思えますが、これはもしかすると春先から食欲が増し、さらに暑くなってビールの量が増え、その上暑さで汗をかく、という二重三重の要因が働いているからかもしれません。
要するに食べ過ぎ、飲み過ぎ、発汗による水分不足で、血液中の尿酸の濃度が濃くなり、尿酸ナトリウムの結晶が作られやすくなると言うことです。
その結果、関節に微細な針状結晶がたまりはじめたと私は解釈しています。いったん結晶化が始まれば、血液中の尿酸の濃度を下げないかぎり、結晶は徐々に肥大化し、やがて炎症を伴う強烈な痛みになるというわけです。
予兆を感じた段階で医者に行く方法ももちろんありますが、その際処方されるのは「コルヒチン」という薬だそうです。ただし副作用もあるようなので、服用には注意が必要とのことです。
というわけで私が予兆を感じたときいつも行っているのは、要するに血液中の尿酸濃度を下げて、出来れば結晶化した尿酸ナトリウムを少しでも血液中に再度溶かし、腎臓から排出すればいいわけなので、なるべく多くの水を飲むという方法です。
もちろん食事や飲酒も控えめ?にして、ともかく水を飲みます。1日中水を飲んで、1時間おきにトイレに行きます。いまのところこの方法で、予兆はあっても本格的な痛みにまで至ったことはありません。面倒ですが、ある意味手軽で医療費も必要なく、安全です。
しかし基本は、食べ過ぎ、飲み過ぎに注意して、ストレスをためずに適度な運動をすることが一番良いはずです。