チャクリー宮殿からワット・ポーへ

チャクリー宮殿

 エメラルド寺院を大きく回りこんで、チャクリー宮殿に向かう。きれいな緑の植え込みの後に、どっしりと落ち着いて建っている。

 よく見ると、ところどころに衛兵が立っている。初めは彫像かと思ったが、近くに寄ると本物の人間だった。いろいろな人が一緒に記念撮影を楽しんでいるが、決まりがあるのか微動だにしない。

 横に可愛い女の子が来れば、ちょっとは頬が緩みそうなもんだが、それも出来ないらしくしかめっつらをして立ち続けている。結構重労働だと思う。

 ここの1階には戦争で使うような武器が展示されていた。その中には日本刀も含まれていて、日本とタイとの国交に改めて関心を持ったが、これまた日本史不勉強のおじさんにとって、なんか聞いたことのある人名だなあと思う程度であった。建物の写真を撮影し、早々と退散。ようやく王宮見学が終了だ。


空腹を抱えながら、有名な「ワット・ポー」に向かう

 さてどうするか。目下の所、昼飯が一番頭の痛い問題だ。というのも、あらかじめ昼食場所の候補地はインターネットで調べてあったが、王宮周辺にはその手のレストランがほとんどないのだ。ホテルも見あたらないので、ホテルのレストランを利用するわけにもいかない。

 残る選択肢は、一旦市街地に戻るか、我慢するか、手近に存在している屋台か、王宮に併設していると思しきレストランで食べるかということであるが、バンコクに来たばかりで右も左も分からない旅行者にとって、いきなり屋台はつらい。

 せめて何人かで来ていれば気持ちも大きくなって、「よっしゃあ、みんなでチャレンジしてみようか」という展開になるのだろうが、一人旅ではそうもいかない。悩みに悩んで、結局情けないことにもう少し我慢することにした。

 で次の目的地は王宮の隣の「ワット・ポー」である。ここでまた悩む。どうやって行ったらいいのだろうか。王宮出口付近でガイドブックを広げて悩んでいたところ、やはり声がかかった。

 中年のおばさんである。「What are you looking for?」「しまった。こんなところでガイドブックを広げるんじゃなかった」と思っては見たものの後の祭り。

 ただ、この手の勧誘には毅然とした態度を取らなければならない、という事だけはしっかり覚えていたので、いきなり「No thank you」とはっきり断った。断り方が良かったのか、おばさん、あっさり引き下がってくれた。

 さて、ガイドブックで確認したところ、移動するためには、歩くかバスかタクシーかトゥクトゥクか、ぐらいしか考えられなかった。

 距離にして700mぐらいだろうか。(後で分かったことだが、船で移動する方法があった)結局歩くことにした。暑かった。排気ガスも結構吸い込んだ。

 ただ路上に展開されるバンコクの街の雰囲気は感じ取れた。唯一の収穫だろう。王宮内にはあれほど観光客がいたのに、この路上を歩いている人は数えるほどしかいなかった。みんなツアーで来ているのだろうか。それともしっかりトゥクトゥクなんぞを利用しているのだろうか。

 ようやく入り口に到着すると、そこにも屋台が多数あった。空腹ではあったが、いまいち食べる気にならず、入場料20Bを支払い中へ。それにしても王宮と入り口を同じ方向に作ってくれれば、こんなに歩かなくてもいいのにと王宮沿いに歩きながら考えた。


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