タイ舞踊  会場へ

舞踏会場を必死の思いで探し出す

 シーロムビレッジにようやくの思いで到着した。この一角だけ妙にきらびやかだったので、近くに来ればすぐそれとわかる。

 道路に面している部分にはシーフードレストランがあり、なかなか盛況だった。しかしタイ舞踊が行われている会場とは違うようだ。舞台らしきものが全然見えない。

 よくわからないままに奥のほうに入ってみた。通路だかレストランだかわからない通路を進んでいくが、何やらお土産やさんとレストランが混在しているだけで、一向に目的の店は見つからない。

 時間的にはすでに20分ほど遅刻しているので、ちょっと焦った。通りから50mぐらい入って、それでもさっぱり見当がつかないので困っていると、何やら案内係りのような美女が立っているのが目に入った。

 英語は通じるかなと不安になりながら、JCBプラザで渡されたクーポンを取り出し、「Excuse me、I am looking for this restaurant」と伝えたところ、最初は私が何を言っているのか分からなかったようだが、クーポンを見て納得。なんとその美女のすぐそばに、案内板があって、そこに私の名前が貼り出されていた。

 早速自分の名前を指差し、これだこれだ、と言うとすぐに納得してくれた。しかし実際にはそこからさらに30mぐらい歩かされたので、自分ひとりではとても行き着けなかっただろう。

 案内係りの美女に連れて行かれたところは、2階に上がる階段下。ここで別の美女に案内が代わった。階段を上がり、驚いたことに靴を脱いでレストランと思しき場所に連れて行かれた。

 遅れていったせいか、会場はすでに8分通り埋まっている。ちょっと見た感じでは団体客が多いのかなという印象だ。欧米人もアジア系も日本人と思しき人も、国籍不明な人もいる。

 案内に従っていくと、ここに座れと言う指示をされたのだが、そこから舞台はあまり良く見えなかった。まあ遅れていったのだから文句を言う筋合いではないのだが、タイ舞踊を鑑賞しに行って肝心の舞踊が見えないのではお話にならない。

 相手が美女だったせいか、小心者のおじさんにしては珍しく、こっちに座りたいという意思表示をしてみた。

 すると案内の美女、ちょっと困った表情をして(どうやら詰めて座ると言うのが原則らしい)それなら、場所こそ舞台から離れるが、ちょっと高くなった座席はどうかということで、そちらに案内してもらった。

 ドキドキもんだったが、まあ言ってみるもんだと昼間ぼられたタクシーのことを思い出しながら、ちょっと溜飲を下げた。

 さて案内されたテーブルは6人がけで、すでに私よりちょっと年齢が進んだ先客が二人いて、その二人にツアーガイドと思われる日本人と見間違えるような人の良さそうなお兄ちゃんが盛んに説明を行っていた。

 同席になるわけなので、一応「Good evening」と挨拶。するとお兄ちゃんが、親しげにいろいろ話し掛けてきた。どうやらこのお兄ちゃん、タイと日本のハーフらしい。もっとも日本語はまったく分からないようだった。 


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