初めてのマッサージで、大きな勘違い

 私が生まれて初めてマッサージを受けたのはバンコクです。もともと肩こり以外はそれほど体が硬いわけでもないので、普段からマッサージの必要性はあまり感じません。

 しかしバンコクはマッサージ、と言うのがどの本にも書かれていましたから、一度は体験してみようと、事前に良さそうな店をいろいろ調べました。

 しかし今ならすぐ分かることですが、当時はバンコクの街そのものに関する知識がまったくなかったため、「古式」という言葉と「トラディショナル」という言葉だけで検索し、さらに初めての旅行では移動が面倒なので、ホテルの近くということで店を選んでいきました。

 ところが知る人ぞ知る(知らないのは私だけ)で、私が初めて宿泊したのはラチャダーのエメラルドホテル。ホテルそのものは格式も高く、滞在は楽しめましたが、周囲の環境が・・・でした。

 マッサージパーラーなる言葉は知っていましたが、そういったお店がいっぱいあります。しかしマッサージはそれとは違うだろうし、古式(トラディショナル)のマッサージを希望すれば、あまり変なことにはならないだろうと判断して、ホテル近くのマッサージ店へ。(このお店、今調べたらすでにないみたいです)

 その時の顛末は初めての旅行記に書きましたが、今読み返してみると、まったく何も知らなかったんだなあと笑えます。

 先ず入店後マッサージ師が並んで待っていて、そこから希望の女性を選ぶことが出来ると言うこと自体が怪しい。これですぐに目的の店とは違う、と気がつきそうなものです。しかし私はどこの店でもそうゆうシステムなんだろうと思っていました。

 次に女性に連れて行かれた部屋が3畳ぐらいの個室。私は「一人一人ずいぶん丁寧にマッサージをしてくれるんだな」と脳天気に思っていました。

 さらに部屋に入るとすかさずおばさんが来て飲物の注文。「いやはやなんとも豪勢なサービスだ」と、まったく違う目的で事が進行していることに私はまったく気づかず。

 ビールを頼んでチップまでおばさんに渡し、いよいよマッサージ開始。最初に足を洗ってくれ、その後徐々に上の方にマッサージ部位が移動。

 結構痛かったりしたのですが、なにせ初めてのマッサージなので、「こんなもんなのか」と思いつつ我慢。今ならはっきりと「これは下手なマッサージだ」と分かるのですが、当時はまったく気がつきません。

 部屋にはテレビもあって、女性はテレビを見ながらマッサージ。これも今なら減点対象です。

 やがて足のマッサージが終わると、何やら怪しげな手つきが。しかしこれも「そうゆうものか」と判断し、なされるままになっていましたが、その内なんだか片言の英語で特別なことをしようと提案されました。

 しかし私はトラディショナルなマッサージを受けるだけだと思っていたので、交渉になりません。結局交渉決裂。そこからはマッサージも今考えるとかなり手抜きとなりました。

 それでもそれが習慣なんだろうと思い、チップを渡して退散。まあ初めての経験ですからしょうがないのですが、最初に行ったのが今までで一番怪しいお店でした。



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